ドル円相場の歴史~トレンド転換となった過去のイベントを整理する
為替市場は様々な思惑が入り乱れ、時に大きく乱高下をするのは避けられないだけに、為替レートの変動ばかりに一喜一憂するのは、輸出企業からお叱りを受けるかもしれないが、あまり建設的ではない。また、円高是正を求められる場面が多い日本の中央銀行だが、本来の役割が通貨価値の維持にあることは論を待たない。第一次大戦後にドイツが経験した激しいインフレで通貨マルクが価値を失い、経済が大混乱した歴史は、自国通貨が信任を失う事態の恐ろしさを証明している。
「止まらない円安」、1998年の例を振り返る | 吉田恒の為替デイリー
90年以降は日本のバブルが崩壊し円高が進行した。1995年4月にはドル円は一時79円台と80円を割り込み当時の史上最安値をつけた。4月の月中平均は83円53銭だった。90年代後半には、日本の銀行の不良債権が拡大し金融機関が相次いで破綻し、アジア通貨危機も起こったこともあって円安が進むことになる。ドル円は1998年8月には147円台を付け、1990年4月以来、約8年4ヵ月ぶりの高水準となった。
ドル円は1982年10月に278円台と80年以降の最高値をつけた。82年10月の月中平均は271円33銭だった。ソ連がアフガニスタンに侵攻し地政学リスクが高まり、有事のドル買いが進んだ。その後ドル円は反転、1985年9月のプラザ合意でドル安誘導政策が取られたため、1988年11月にはドル円は120円台まで売られ当時の過去最安値をつけた。11月の月中平均は123円16銭だった。
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その後、ドル円の為替相場は、1995年4月に一時79円75銭というレートをつけるほどの強烈な円高となる。ここでは、1995年から2022年現在までに至る約27年の間に見られた為替レートの節目を確認しておきたい。
1995年以降、これまでに最も円安となったのは1998年7月で、当時は1ドル=144円63銭まで急落した。わずか3年前の1995年に、ドル円は80円を割るほど円高となっていたため、その揺り戻しが大きく出たと見ることができるだろう。当時、日本では大手金融機関が相次いで破綻しており、日本経済の先行きへの不安が大きくなっていた時期。日本政府は2兆円以上の円買い・ドル売りの市場介入も行って、何とか円安を抑え込んだのだった。
1995/08, 97.46, 94.56, 99.1, 94.55, 99.4, 87.86
ドル円の8年周期は、主要通貨のサイクルの中ではもっとも信頼性が高いともいわれている。この周期は景気のサイクルと連動しているという見方が主流だ。また、8年周期が投資家に周知されており有名なため、投資家がそのサイクルに導かれているのではないかとの指摘もあるようだ。
過去、最も円高となったのは、2011年10月末の1ドル=75円32銭だ。欧州債務問題やリーマンショックの後遺症で欧米経済が苦しい中、2011年3月には東日本大震災があった。リスクを避けたいマネーが円に流れ込み、いわゆる「有事の円買い」が円を押し上げた。
[PDF] 1995年の「協調的為替・金融政策」と日本の対外投資(1995−97年)
最近では、2020年にも円高が進む局面があった。新型コロナへの懸念が急速に高まる中、ドル円は3月、瞬間的に102円を割り「コロナショック」と呼ばれた。米国ではコロナ禍で麻痺する経済を支えるために金融緩和を打ち出し、ドル円は2020年を通して円高に推移した。
95年、経団連の豊田章一郎会長が村山富市首相に円高対応を直談判した。それほどの危機感が経済界にあったが、11年の場合は円相場が最高値から80円台に戻ると円高是正を求める産業界の声は聞かれなくなった。産業界が円高に耐えられる経営体質を築いてきたことの証左だとも言える。
[PDF] 第 4 章 人民元レートの長期的政策選択について
以前は何か有事があると、日本の製造業が海外にため込んだ利益を慌てて日本に戻すため、ドルを売って円を買う動きが活発化して円高となった。しかし今では、日本の企業も海外に工場を持ち、人を雇い、稼いだドルは現地で使うことが増えている。このため、有事であっても日本に戻すお金は少なくなっていると考えられるのだ。
1990年には1元=30.72円、1995年には1元=11.28円となり、1995年は1980年より ..
この米ドル高・円安のスタートは、1995年の1米ドル=80円だった。要するに、1995年「超円高」終了から始まった米ドル高・円安が、3年後には一転して「止まらない円安」として懸念されるところとなったわけだ。
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