金ドル本位制をわかりやすく解説!崩壊した理由や前身の制度も紹介
アメリカ以外の国も不景気のため、輸出するためには通貨価値を切り下げるしかなくなってしまい、金本位制を続けることが困難になります。
金為替本位制度(Gold Exchange Standard)とは ..
イギリスは1931年に金本位制を離脱し、各国も追随します。こうして再建金本位制も崩壊しました。紙幣は金の裏付けを失い、各国中央銀行の管理のもとで発行されるようになったのです。
ブレトンウッズ体制とは、第二次大戦後に米国を中心に作られた、為替相場安定のメカニズムです。1944年、米国にあるブレトンウッズホテルに連合国の代表が集まって決められたので、「ブレトンウッズ体制」と呼ばれています。
これは、第二次大戦の遠因でもあった為替相場切り下げ競争の再発を防ぎ、戦後の復興に欠かせない貿易の円滑な発展のための決済システムを作ろうというものです。基本的には、戦前の金を国際決済手段とする金本位制への回帰ですが、過去と異なる点は、各国通貨と米ドルの交換比率を固定し、ドルだけが金と交換比率を固定するという、ドルを間に挟んだ金本位制です。これを金・ドル本位制と呼ぶこともあります。
金とドルの相場を固定し、ドルと各国通貨の相場を固定するということは、金本位制と実質的には同じと思われるかもしれません。違いは、金本位制では各国間の決済が原則的には金で行われていたのに対し、金ドル本位制ではドルで行われたということです。金は紙の通貨と違って貿易量の増加に従って柔軟に流通量を増やすことが出来ません。近代以降の経済規模の急速な拡大の前に、金を決済手段とする利便性は大きく低下していました。通貨発行量が拡大しやすい一国の通貨、米ドルが金にとってかわったのです。
それならば金・ドル本位制ではなく、ドル本位制にすればいいではないかと思うかもしれませんが、まだこの時代は、国際通貨は、使用者が共通の価値を認める何かしらの物的な担保を持たねばならないとの固定観念から抜け切れてなかったのだと思います。しかし、金の量は増えないのにドルの量は経済回復につれて増えていきます。増えない金を担保に米ドルが増発されるという点にブレトンウッズ体制の矛盾がありました。誰の目にも、ドルの金との交換比率が下落していくのは自明でした。
ニクソンショックによってこの金・ドル本位制が崩れました。各国の通貨価値が、アンカーなく変動相場制を漂うことになったのです。では、国際通貨制度は担保を失ったのでしょうか。その後、主要国政府中銀は、通貨や金融の安定のために共通の金融規制作りやマクロ政策協調に力を注ぎました。この国際協調というソフト・コラテラルこそが、金に代わる国際通貨制度のアンカーとして発展していったのだと思います。
(1919年)や、金地金本位制を採用したイギリス(1925年)以外で、
各国の金の保有量に応じて通貨の発行量を決めるこの制度は、世界共通の基準を作ることで、通貨の違う国同士のやり取りをスムーズ行うことが目的です。
このような国際協力促進と国際貿易拡大の理念の表明は1930年代の事態に対する深い反省に基づくものであった。第1次大戦後復活した金本位制は,29年のアメリカ金融恐慌に端を発する世界恐慌の前に崩れ去った。各国は競って貿易,為替の直接的管理に走り,この防壁の下で国内的に拡大政策を採用しようとした。一国の管理の強化は連鎖的に他国の管理を強化させる。管理網は,世界的に広範かつ精緻なものへと発展していった。為替市場は崩壊し競争的平価切下げを招いた。双務主義,ブロック主義が横行した。国益の主張から出た政策が自らに還元されたときそれは一層己れの崩壊を促すものでしかなかった。近隣窮乏化政策は世界貿易を著しく縮小させ,不況を逆に深刻化させていたのである。
奥田(2013)では、「ドル体制とはドルが金と交換されないにもかかわらず国際通貨の諸機能を併せ持っ
金本位制を日本でも採用しましたが長くは定着せず、1930年代には殆どの国で金本位制度は廃止されました。
したがって戦後に予想される国際通貨体制は,何よりもまずこのような双務主義,直接的制限措置の打破を目指したものでなければならなかった。1943年3月に発表されたイギリスのケインズ案(国際清算同盟案)も同7月に公表されたアメリカのホワイト案(連合国国際安定基金案予備草案)もこの点では同一の認識に立っていた。しかし,両案の基本的相違はケインズ案が信用創造の機能を内包していたのに対し,ホワイト案が基金原則に立っていたという点にある。すなわち,ケインズ案は,世界中央銀行的性格を持つ清算同盟に加盟国がバンコール勘定を設けて,各国間の決済はその相互振替によって行ない,パンコール残高が不足の場合は当座貸越で処理するという形を考えていた。これに対し,ホワイト案は各国からの資金の拠出によって,基金が必要資金を貸し付けるといういわば既存の国際流動性の円滑な利用をねらいとしていた。またケインズ案が赤字国のみならず黒字国の責任をも左右対称的に追求しうるものとしていたのに対し,ホワイト案は稀少通貨条項を備えていたものの赤字国の責任をはるかに重視していた。さらに,平価についてもケインズ案はより弾力的であって,適宜管理的に変更さるべきものとしていたのに対し,ホワイト案はその変動を厳しく制限し,強い固定平価主義をとっていた。
金・ドル本位制」ともよばれる。 ブレトン・ウッズ体制は,1960年代にゆらぎ ..
本記事では金本位制の持つメリット・デメリットや制度の歴史について詳しく解説します。
戦争の終わりが見えてきた1944年、通貨価値の切り下げ競争が大戦をもたらしたことへの反省から、連合国の代表は「金ドル本位制」といわれる国際通貨体制を整えました。
制の危機2:01「ブレトンウッズ体制」とは? 4:11「ニクソンショック ..
この体制下では、米ドルに金1オンス=35ドルの固定レートでの金との交換が義務付けられました。米ドル以外の通貨は金と交換されませんが、米ドルとは固定レートで交換されます。なお、円は1ドル360円に固定されました。
金が交換可能な状態にないといけません。兌換紙幣。金↔️紙幣金ドル本位 ..
金ドル本位制と金本位制の違いは、金との交換に米ドルを介するかどうかという点です。金ドル本位制は、アメリカのブレトン・ウッズにあるホテルで定められたため「」とも呼ばれています。
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米ドルを世界の基軸通貨とする「金ドル本位制」を確立できたのは、アメリカが世界のなかでも圧倒的な量の金を保有していたためです。
10分でわかる金本位制 – わかりやすく誕生や崩壊の歴史を解説
1944年7月,ブレトンウッズの「連合国通貨金融会議」において合意をみたIMF協定は,45年12月に35ケ国の正式調印をもって成立した。その志向するところは第1条に掲げられている。すなわち,冒頭で通貨に関する国際協力の促進を唱い,ついで,「国際貿易の拡大および均衡のとれた増大を助長,もって経済政策の第一義的目標たる全加盟国の高水準の雇用および実質所得の促進および維持ならびに生産資源の開発に寄与すること」を挙げている。
そのため金本位制度では、通貨の価値(「本位貨幣」という)が金によって保証されます。
IMF体制を問い直すとき,ケインズ案を想起し,それと対照することによって,現行の枠組みの特徴を浮きぼりにすることができるのである。ケインズ案が原則において拡張的であったのに対し,ホワイト案はより安定的であった。このことは戦後経営に望むイギリスとアメリカの立場の相異によっていた。二度の大戦の戦場となったイギリスは何をおいてもその疲弊した経済の建直しをはからねばならなかったため,必然的に拡張的な構想を打ち出さざるをえなかった。他方,アメリカは二度の大戦においても戦禍を免れ,最大の債権国となっていた。戦後世界を再建するリーダーとして,従来の孤立主義の伝統を180度転換させねばならなかった。そのリーダーシップを完全に発揮するためには,差別主義の撤廃と為替の安定がより重要であった。
金にはなぜ価値があるのか?金と経済の歴史をわかりやすく解説!金本位制、ブレトンウッズ体制、ニクソンショックも理解できるよ!
「この紙幣は金◯グラムと交換できる価値がある」という世界共通の価値基準を作ることで、通貨の違う国同士のやり取りをスムーズ行うことが目的です。
金本位制とは?取り入れるメリット・デメリットや日本における歴史も解説
このように金本位制は紙幣や硬貨の信用を世界共通の価値を持つ金(ゴールド)で担保し、国際収支の均衡を保ち、世界経済の安定を図る制度として、第2次世界大戦以前まで広く採用されていました。
国際通貨制度(International Currency System)とは ..
金本位制は1816年にイギリスで始まり、金1オンス(31.1035グラム)=3ポンド17シリング10ペンス半と定められました。
媒介通貨)とは何かを考察しながら、第一次世界大戦後のIMF=ブレトン・ウッズ体制から
1971年にアメリカのニクソン大統領は、自国の競争力回復のための経済政策の一環として金とドルの交換停止を発表しました。これはと呼ばれ、金とドルの交換を前提とした金ドル本位制はこれをもって崩壊します。
この仕組みのことを、「ペトロ・ダラー制」(石油決済本位制)と呼んでいる。 ..
翌年には1ポンドのソブリン金貨を発行し、第一次世界大戦までのおよそ100年間、イギリスでは金貨本位制が使われていました。
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金ドル本位制が崩壊したあとも、米ドルは引き続き世界の基軸通貨としての地位を保っています。貿易の決済や金融取引に使われる通貨としても、各国の外貨準備として保有される通貨としても、ほかの通貨を圧倒しています。
*遺産分割が成立する前であっても、一定の金額であれば法定相続人が被相続人名義の預貯金を出金できる預貯金の仮払い制度があります。 ..
現在、米ドルや各国通貨の価値が金と関連付けられることはありませんが、主要国の政府や中央銀行は、通貨価値安定のために政策面で協調するようになりました。これが現在の国際通貨体制の支えになっているといえそうです。
International Monetary Fund (IMF)
金ドル本位制は、戦前の通貨価値切り下げ競争が第二次世界大戦を招いたことへの反省から生み出された仕組みです。
FX取引(外国為替証拠金取引)とは取引から利益を上げることを目的とした外国為替 ..
19世紀にイギリス主導で始まった金本位制は、各国通貨が金と交換される制度でしたが、金ドル本位制は、ドルが金と交換される前提で、各国通貨が固定相場で米ドルと交換される制度でした。
FX市場は世界で最も取引されている金融市場で、毎日何兆ドルもの取引が行われています。
しかし、経済実態に合わない戦前の交換比率を再建後に採用したイギリスでは、貿易収支が悪化していきます。一方、資金が集中したアメリカは好況に沸き、株式市場が暴走します。
【高校日本史B】「金融制度」 | 映像授業のTry IT (トライイット)
しかし1929年の世界恐慌以降、経済の仕組みが変わるにつれて1930年代には殆どの国で金本位制度は廃止となりました。