シンガポール ドル / 日本 円【SGDJPY=X】:為替レート・相場


シンガポールの通貨制度は通貨バスケット方式の管理変動相場制度です。主要貿易相手国の通貨をバスケットに入れてひとつの通貨とみなし、通貨の変動がそこから一定の変動幅 (為替バンド) に収まるように運営しています。バスケットの構成通貨、構成比率および変動幅については、公表されていません。バンドを超えるような変動が発生した場合は、中央銀行にあたるシンガポール金融通貨庁 (MAS=Monetary Authority of Singapore) が市場に介入して変動を為替バンド内に収めます。
そのため米ドルやユーロなどの主要通貨に対する変動はかなり抑えられています。
この為替レートの調整が金融政策の手段となっており、シンガポールには政策金利が存在しません。よってシンガポールドル相場はMASのコントロールの影響を大きく受けます。金利の上げ下げで金融政策を行う多くの他の国々とは異なります。インフレの安定を目指し、金融引き締めの場合は為替変動幅を通貨高方向へ、金融緩和の場合は通貨安方向へ見直します。小さな国であり、経済が貿易に大きく依存しているため、為替レートが国内物価に影響を与え、景気をも左右します。
MASは2023年まで金融政策として4月と10月に為替変動幅の見直しを行っていましたが、2024年から四半期ごと (1月、4月、7月、10月) に実施しています。


シンガポールドル/円(SGD/JPY) FX為替レート・チャート

シンガポールドルは、東南アジア通貨の中では安定性が高い通貨だと言えます。他の東南アジア通貨は、高い経済成長とともに通貨についても値上がり期待が大きい反面、金融危機などが発生すると大きく下落しやすいリスクを抱えています。東南アジアの国々の中には、政情不安を抱える国もありますが、これまで強固な一党支配が継続してきたシンガポールの政情は比較的安定しています。若者の政治への不満がやや高まっていますが、政治リスクがシンガポールドルに与える影響は今のところ限定的でしょう。
比較的安定性の高い通貨ですが、ドル高が急速に進んだり金融市場でリスクオフの動きがあったりした場合、ほかの新興国通貨と同様に円に対して売られる傾向があります。

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SGD/JPY(シンガポールドル/日本円)リアルタイムチャート

主要国通貨に対するシンガポールドル相場の安定性の高さは、2008年9月に起きたリーマンショックの時にも証明されました。シンガポールドルの対円相場は、2006年から2007年半ばにかけて1シンガポールドル=70円台から80円近辺まで上昇。その後、米国でサブプライムローン問題が深刻化し、世界経済の先行きに暗雲が漂っても、2008年前半まで1シンガポールドル=70~80円台の水準で踏みとどまっています。リーマンショック発生時には、他の先進国通貨と同様に対円で大きく下落しましたが、それでも2008年末時点の相場が1シンガポールドル=60円台と、下げ幅は3割足らずにとどまりました。豪ドルやNZドルなどの資源国通貨が半値近くまで下げたのと比較すると、かなりの安定性であると言えます。
その後のシンガポールドル / 円相場は、2009年から2012年前半にかけて1シンガポールドル=60~70円の持ち合い (ボックス圏) 相場が続きました。2012年後半からアベノミクスなどの影響もあって1シンガポールド=92円台まで上昇しましたが、2015年から2016年にかけて中国経済の減速がシンガポール経済にも影響をおよぼしていることなどから、シンガポールドルは大幅に下落。そして2016年4月MASが予想外の金融緩和に動き1シンガポールドル=72円程度まで下落、他のアジア通貨も巻き込むショックを起こしました。しばらくボックス圏で推移していましたが、2021年10月にMASがインフレ高進に対応するため引き締め政策に転じたことでシンガポールドルは急上昇し、5回の連続引き締めを経て2022年10月には104円台半ばをつけていました。
そして2023年4月、おおかたの予想に反してMASは金融政策を据え置き、2024年4月まで4回連続して現状維持しました。主要貿易相手国の成長鈍化のほうをリスクとしたようです主要国通貨に対する円安が進む状況で、2024年6月現在では、1シンガポールドル=116円台となっています。

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シンガポールドル/円(SGDJPY)のチャート、相場の状況と今後の見通し

東南アジア・マレー半島南部に位置する、シンガポール共和国。本島と複数の島々からなり、世界屈指のリゾート観光地として知られています。国を象徴する「マーライオン」はあまりに有名なほか、新たな定番スポット「マリーナベイ・サンズ」はIR(統合型リゾート)として整備され、それらが織りなす異世界を思わせる都市景観は圧巻です。国全体が1つの都市(首都)を構成する都市国家であり、国土面積は東京23区をやや上回る程度の規模で、人口密度は世界第2位を誇ります。
古くから東西の貿易及び中継拠点として栄え、1960年代後半から急速に工業化を果たすと、製造業や通信産業、金融、サービス分野など様々な産業発展から、アジアの近代国家と称されるまでの経済成長を実現しました。現在も最先端のインフラ整備や税制優遇による外資誘致などを背景に、あらゆる産業のハブ拠点となっています。さらに、世界の金融立国・金融センターとして確固たる地位を確立するなど、今後もそのグローバルな存在感は高まっていくでしょう。シンガポールは積極的な外資政策で、多くの海外企業や外国人労働者を受け入れてきた歴史から、多様な民族による人口構成が特色です。しかし近年は限られた国土における急激な人口増加を受け、就労ビザや永住権取得のハードルを引き上げなど移民政策の転換を図り、政府は保守的なスタンスへ移行しつつあります。
政治体制は議会制民主主義を採用する一方、与党「人民行動党」が建国以来の一党支配を続けています。一般的にはネガティブなイメージを持たれがちですが、前述の通り、国としては上手く機能し、目立った問題も生じてはいないため、政治的リスクに関してはポジティブに解釈しておきたいです。また、直近はおよそ20年ぶりの首相交代がホットな話題です。2024年5月にローレンス・ウォン氏が正式に新首相に就任しました。以前は副首相兼財務相のほか、中央銀行にあたる「シンガポール通貨金融庁(MAS)」の議長も務めるなど手腕を発揮し、現在も引き続き財務相職は兼務しています。

面積は東京23区や淡路島ほどの小さな国です。狭い国土だからこそ高度な都市インフラを整備しやすいという強みを持っています。
住民は華人 (中華系) が最も多く7割超、マレー系が15%、インド系が7.5%などとなっていて人口の約3割が外国人。文化、宗教は多様です。英語や中国語が話せる人材が多いため、多国籍企業のアジア太平洋地域の統括拠点が置かれることが多くなっています。ASEANの原加盟国でASEAN自由貿易地域の主導国でもあります。低い法人税率や投資優遇措置などで外資を積極的に誘致し、製造・サービスなど、あらゆる産業で東南アジアのハブ (拠点) となっています。
特に金融ハブとしての地位は確固たるものがあり、東南アジアおよびインドにおける多国間決済の要であり、デリバティブ (金融派生商品) 取引など国際金融取引が活発です。

SGD / JPY 通貨チャートシンガポールドル から 日本円 のレート | Xe

シンガポールでは、アメリカや日本などにおける変動相場制とは異なり、世界的にもユニークな「通貨バスケット制(管理変動相場制)」を採用しています。一般的には固定相場制に分類され、シンガポールドル(SGD)相場と複数国通貨の為替レートを連動させることで、自国の通貨及び経済の安定を図ります。代表的なペッグ制では米ドル(=ドルペッグ)など、ある特定通貨を対象にするのに対し、いくつかの通貨をカゴに入れて”ひとまとまり”の通貨とするイメージから、通貨バスケット制またはバスケットペッグ制などと呼ばれています。
具体的には、名目為替実効レートの管理によって、主要な貿易相手国や地域の通貨を貿易実績などに応じて加重平均することで目標レートを決定し、一定の変動幅(「政策バンド」)に収まるように運営されています。仮に政策バンドを超えるような変動があった場合は、市場介入して相場の誘導を図ります。ただ、通貨バスケットの構成通貨や比率、政策バンドの内容に関しては、相場の安定化や投機的取引の制限などを背景に公表されていません。
以上のように、シンガポールドル相場は一定の管理下に置かれており、対主要通貨での過度な変動は抑えられる傾向にあります。また、アジア・新興国では国内の財政・政治不安などの問題を抱えている国も多くみられます。対してシンガポールは、確かな経済基盤と機動的な運営によって財政は安定しており、「国債格付け」はアジアで唯一、大手3社が最上級のプライム評価と非常に良好です。政治面でも、一党支配による長期政権下で現状リスク要因は限定的であることから、これらの安定感は投資対象として大きな魅力といえるでしょう。

シンガポール・ドルから日本円への為替レートは114.986で、昨日から-0.494%変動しています。過去1週間にかけて、シンガポール・ドルの価値は7日前の価値と比較して0.168%の値上がりとなっており、比較的安定しています。


シンガポール・ドル/円の為替レートの推移(1980~2024年)

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最新通貨ペア情報 · シンガポールドル/円 チャート · シンガポールドル/円 変動率の推移 · シンガポールドル/円 高安差の推移.

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シンガポール・ドル/円の為替レートの推移(2021年1月~2024年11月)

近年のシンガポール経済は、2020年の「コロナショック」の余波により、実に19年ぶりのマイナス成長に陥りました。ただ、MASによるシンガポールドル誘導目標の金融緩和方向への調整や、政府の大規模な財政出動など迅速な経済立て直し策が講じられたことで、シンガポールドル/円は早々に下値切り上げに転じます。
2021年10月には、経済正常化に伴うインフレ上昇を背景にMASは金融引き締め政策に舵を切り、2022年にはロシア・ウクライナ情勢によるインフレ圧力の一段の高まりを受け、臨時会合による見直しを含め5会合連続で引き締めを発表しました。その後は2024年7月会合までMASが金融政策を据え置く中で、シンガポールドル/円は力強く上昇トレンドを形成、一時120円台に乗せ史上最高値を更新しました。
一方、足元では日銀の金融政策の転換を契機に、各国との金利差縮小の思惑や「円キャリートレード」の巻き戻しによって全般円買い圧力が強まり、節目110円台で推移しています。

アメリカ ドル / シンガポール ドル【USDSGD=X】:為替レート・相場

シンガポールは東南アジアの貿易・金融の中心となっている都市国家です。
シンガポール海峡が海上交通の要衝であり東西貿易の拠点として古くから繁栄、1963年に英国から独立して以降、資源に乏しいながら政府の港湾などのインフラ整備、強力な外資導入政策により急速に工業国として発展をとげました。1980年代半ばには金融・運輸・通信産業を中心としたサービス部門へと産業構造をシフトさせ現在の経済の基盤を作りました。
2023年の1人当たり名目GDP (国内総生産) は8万4,734米ドルで世界5位です (IMF) 。2007年に日本を追い抜いて今では2.5倍程度に急成長しました。スイスのビジネススクール・IMDが発表した2024年の「世界競争力ランキング」では4年ぶりに首位に返り咲きました。他にも「最も住みやすい国」など国際ランキングの上位に数々入っています。全ての主要な格付け機関からAAAのソブリン債格付け (国債などの格付け) を持つ、アジアで唯一の国です。

アメリカ ドル / シンガポール ドルの為替レート・相場 ; 東京株式(大引け)=437円高、先物主導で後場に上げ足強め大幅続伸

2024年後半からは、MAS・主要国・日銀の政策運営がカギになりそうです。
MASは直近2024年7月の会合まで、コロナショック以後一連の金融引き締めスタンスを維持しています。この効果により、シンガポールの消費者物価指数(CPI)は現時点では中銀の想定水準の前後まで順調に鈍化しており、今後はそう遠くない時期でのMASの政策転換はメインシナリオとみておきたいです。さらに長期相場で見れば、シンガポールドル/円は、記録的な高値圏に位置しており、金融政策維持でも一段の上値追いはスムーズにはいかないかもしれません。
そして、市場では主要各国の金融政策の方針転換がテーマとなっています。2024年8月のジャクソンホール会議において、アメリカFRBのパウエル議長は9月FOMCでの利下げ開始に向けアナウンスを実施しました。また、BOEやRBNZなどの中央銀行も、インフレ低下を背景に利下げに舵を切っています。その一方、日銀は2024年3月のマイナス金利解除から7月には追加利上げを実施し、主要国とは対照的に金融引き締めに歩みを進めています。世界的な金融政策のシフトチェンジによって、為替相場の強弱バランスは変動しやすい局面であることから、MASの政策修正を促す要因となるかもしれません。そのため、シンガポールドル/円はここまで大幅な上昇の巻き戻しも考慮する必要があり、MASの政策運営に注目しつつ、状況に応じて下落を狙った売りからの取引にも妙味がありそうです。
このほか、引き続きロシア・ウクライナ情勢や中東における地政学リスクの高まりも見られています。不透明感のある外的要因によって、再びシンガポール国内のインフレ圧力が上昇するような事態となれば、シンガポールドルが上振れる可能性も想定しておきたいです。

200 シンガポールドル 円 | SGD JPY | IFCM ジャパン

シンガポール・ドルから日本円への過去の為替レートの概要へようこそ。このページでは、これまでのシンガポール・ドル(SGD)から日本円へ(JPY)の為替レートをまとめています。11-01-2020~11-01-2025の過去5年間のSGDとJPYの為替レートの変動をチェックすることができます。

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今日のドル円FXのレンジ予想・終値予想ほか、FXトレーダーの皆様の役に立つドル円関連情報をお送りします。

シンガポールドル (SGD)から日本円 (JPY)の過去の為替相場

近年目覚ましい経済発展を遂げるシンガポール。今後も世界有数の金融立国として、さらには多岐に渡る産業のハブ拠点としても、そのグローバルな存在感から目が離せません。自国通貨のシンガポールは、独自の金融・通貨政策により他の通貨にはない特徴を有しており、シンガポールドル/円相場は底堅く推移しています。
みんなのFXでは金利差にあたるスワップポイントを高水準で提供できるよう、カバー取引先との交渉を重ねています。また、みんなのFXでは1,000通貨から取引が可能で、約4,360円の証拠金を預けることで取引を始められます(1シンガポールドル=109円で計算した場合)。FX取引を始めたばかりの方も、ぜひ、みんなのFXでシンガポールドル/円の取引をご検討ください!
(2024年8月時点 トレイダーズ証券 市場部)