那須川天心、対戦相手アシロからの“褒め言葉”に爆笑 転向 ..


プロボクシングWBOアジア・パシフィック・バンタム級王座決定戦 同級1位 那須川天心<10回戦>同級2位 ジェルウィン・アシロ ( 2024年10月14日 有明アリーナ )


那須川天心、初タイトル獲得 粘るアシロからダウン奪い判定勝ち ..

付け加えるなら、天心の攻め筋もやや単調なきらいはあった。特に序盤の4ラウンドまではボディへのパンチがあまり見られず、ジャブからの左ストレートというワンパターンのボクシングになっていた。いかに一級品のスピードを持つ天心といえども、上下に打ち分けるパンチのバリエーションがなければ守備に比重を置いた相手を崩すのは難しい。

バンタム級リミットの53.5kgまで落とした天心の眼光は鋭く、無駄な脂肪を削ぎ落とした全身からは近寄りがたい殺気すら漂わせていた。対照的にアシロは温和な面持ちで計量会場に姿を現し、フレーム(骨格)は数値以上に小さく見えた。少なくともこの時点では、早いラウンドでの天心のKO勝ちを予想した者も多かったのではないか。

那須川天心と対戦するアシロは2位にランクアップ! | ボクモバニュース

天心のアタックをかわし続けるアシロの姿を見て、筆者は自分の予想を恥じた。前日計量で見た限り、アシロは天心の踏み台になる相手としか思えなかったからだ。

7月のジョナサン・ロドリゲス戦で、天心は自ら先に動いて相手に反応させたうえで右ジャブや左ストレートを決めるという進化を見せていた。ところがアマチュアボクシングで200戦以上のキャリアを持つアシロは天心の誘いに乗らず、お互い「お前から先に打ってこい」とでも言いたげな展開になった。ロドリゲス戦が“後の先”だったならば、今回はともに“後の後”。そうなれば、なかなか試合が動くはずもなかった。

那須川天心 vs ジェルウィン・アシロ 現地映像 WBOアジア ..

ひとつはアシロが「想像以上にうまかった」ことがあげられる。天心のキーパンチである左ストレートをヒラリヒラリとかわしたうえで、カウンターを再三見舞っていたのだ。

10月14日、『Prime Video BOXING 10』DAY2のセミファイナルで行われたジェルウィン・アシロとのWBOアジアパシフィック・バンタム級王座決定戦。ふたりのジャッジが7ポイント差、もうひとりのジャッジが5ポイント差をつける3-0のユナニマス・デシジョンだったが、ポイント差以上に天心はもがき苦しんだ。

【ボクシング】那須川天心とアジア王座争うアシロ来日「勝つためにやってきた」現役大学生ボクサー ..

今回、ボクシングで初めてのベルトを巻いたものの、世界挑戦に向けて課題の方が目立った。まだ、あまり試されていないが、自分より大きくスピードがあるボクサーや、接近戦が得意な馬力のあるファイターなど世界にはあらゆるタイプの猛者がいる。

そういう意味で10回にバッティングで左まぶたをカットしたことは、良い経験として捉えるべきだ。インタビューでは「俺の大事な顔を傷つけやがって。顔で売ってんのに大丈夫ですか」と冗談を飛ばしたが、今後はさらにラフな戦いを強いられることもある。

天心のセンスと練習熱心な姿勢を考えると、世界のベルトを巻く日はいずれ訪れる。ただ、現状では、同じ日のリングで圧巻のKO勝ちを披露したWBC王者・中谷潤人(M.T)には勝てない。K-1からボクシングに転向し、天心より先にWBO王者となった武居由樹(大橋)とはいい勝負になるだろうが、激戦を勝ち抜いてきた武居に一日の長がある。

重要なのは成長性だ。世界を獲るまでに経験を積むことはもちろんだが、世界王者になってから強くなった選手も数多い。元3階級王者の長谷川穂積や現WBCフライ級王者・寺地拳四朗(BMB)のように、世界のベルトを巻いてからKO勝ちが急増した好例もある。

ボクサーとしてのポテンシャルは誰もが認める天心。アシロ戦を成長の糧とできるかどうかは本人次第だ。いずれは井上尚弥や中谷潤人らとともに、日本ボクシング界を引っ張っていくスターとなることが期待される。

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その答えを解くカギはアシロが放ったパンチの左右比率にある。多くのボクサーは相手と近い腕、つまり右構えなら左ジャブを中心に組み立てるのがセオリーだ。

しかし、サウスポーの天心は相手の左ジャブに右フックのカウンターを合わせるのがうまい。アシロはそれを見越して左ジャブをほとんど打たず、いきなり右ストレートから入るシーンが目立った。

今回、アシロが放った左ジャブはわずか34発。天心が右ジャブを235発出したことと比べると、いかに少ないか分かるだろう。

総パンチ数に占める割合は右が63%、左が37%。天心は右が65%、左が35%だったが、構えは左右逆にもかかわらず、左右パンチのパーセンテージがほとんど同じであることは、アシロが入念に「天心対策」を練ってきたことの証明だ。

実際、天心は試合後のインタビューで「KOしたかったけど、相手も対策してきた。もっと圧倒的に強くなって戻ってきたい」と反省の弁を述べている。アシロの元々のスタイルもあるとはいえ、天心に最大限のリスペクトを払い、十分に研究してきた成果が出ていた。

それに加えて、打てば必ず打ち返されるため、天心も簡単に攻め込めなかった。左ストレートを伸ばしたものの踏み込みが浅く届かないシーンが多かったのは、天心もやりにくさを感じ、警戒していたからだろう。アシロを倒し切るだけの力量と引き出しが、今の天心にはなかった。


那須川天心vsジェルウィン・アシロ。アシロが強かった&遠間からすっ飛んでくる剛腕との相性もよくない

6歳からボクシングを始め、アマチュアで200戦以上した経験から対サウスポーにも「たくさん対戦してきたから」と問題がないことを強調。対策については「試合でベストを尽くす。それだけ。スキルを見せられれば」と明らかにしなかった。この日、スタートのTBS系連続ドラマ「あのクズを殴ってやりたいんだ」(火曜・午後10時)に天心が出演していることを聞くと「日本で有名なのは知っていたが、まさかドラマに出ているとは」と驚きを隠さなかった。

【画像】進化止まらぬ「神童」 世界初戴冠を果たした那須川天心のアシロ戦を厳選ショットで紹介

戦績は26歳の天心が4戦全勝(2KO)、23歳のアシロが9戦全勝(4KO)。

【那須川天心VSジェルウィン・アシロ】天心、初のタイトルを奪取

WBOアジアパシフィック・バンタム級王座決定戦で同級1位の那須川天心(帝拳)と戦う同級2位のジェルウィン・アシロ(フィリピン)が8日、来日した。PMIカレッジに通い、税関について学んでいる現役大学生ボクサーは天心について「ボクシングがうまいと思うが負ける気はしない」と自信を見せた。

【WBOアジア王座戦】那須川天心がジェルウィン・アシロと対戦決定【9戦全勝】 ..

無敗の格闘家でWBOアジア・パシフィック・バンタム級1位の那須川天心(25=帝拳)がボクシングで初タイトル奪取に成功した。転向5戦目で、同級2位のジェルウィン・アシロ(23=フィリピン)とアジアのベルトを懸けて戦い、3-0の大差で判定勝利を収めた。来年末に予定される世界挑戦を見据え、ボクシングキャリア節目のベルト獲得となった。

那須川天心が10月14日にボクシングで対戦する相手が発表されてました。

◆プロボクシングWBOアジアパシフィック・バンタム級(53・5キロ以下)王座決定戦 〇同級1位・那須川天心(判定)同級2位・ジェルウィン・アシロ●(14日、東京・有明アリーナ)

那須川天心 ボクシングアシロ · 那須川龍心くんその · キックボクシング 宮本雄大 · 那須川龍心 泣く · 那須川龍心

◆プロボクシング ▽WBOアジアパシフィック・バンタム級(53・5キロ以下)王座決定10回戦 同級1位・那須川天心―同級2位ジェルウィン・アシロ(14日、東京・有明アリーナ)

「那須川天心vs.ジェルウィン・アシロ」と「中谷潤人vs ..

WBOアジアパシフィック・バンタム級王座決定戦は那須川天心(帝拳)がジェルウィン・アシロ(フィリピン)を判定3―0(98―91、98―91、97―92)で下し、初のタイトルを奪取した。デビュー10戦目で敗れたアシロは「スピードが速く、パンチも強かった」と天心の強さを認めた。

那須川天心 #アシロ #WBOアジアパシフィックバンタム級王座決定戦

9回のダウンについては「ダウンじゃなく、足を滑らせただけ」と不満を見せた。ただ、「左ストレートが強かった」と天心のパンチ力は想定外だったようだ。4月にはIBFタイトルマッチを控えていた現・IBF王者の西田凌佑(六島)のスパーリングパートナーを務めた。2人を比較して「あくまで私個人の感想として、スピードは那須川が上。テクニックは2人ともうまい」と技術は互角、速さでは天心が勝ると評価していた。

ボクシング5戦目で天心が獲ったダウンは誤審だったのか?|那須川天心vs.ジェルウィン・アシロ

プロボクシングのWBOアジアパシフィックバンタム級王座決定10回戦が14日、東京・有明アリーナで行われ、同級1位・那須川天心(26=帝拳)が同級2位ジェルウィン・アシロ(23=フィリピン)に判定勝ちし、初のタイトルを奪取した。

試合は序盤からスピードで勝る天心が優位に進めたが、打てば必ず打ち返してくるアシロを詰め切れない。9回にスリップ気味のダウンを奪ったものの倒し切ることはできず、ジャッジ2人が98-91、1人が97-92の3-0判定をものにした。

これでキックボクシングからボクシング転向後5連勝(2KO)。すでにWBA3位、WBC3位、WBO11位にランクされており、JBC(日本ボクシングコミッション)が世界挑戦の条件として定める王座のうちのひとつを獲得したことで、早ければ来年中の世界挑戦が実現する可能性も出てきた。

普通の世界ランカーなら、5戦目でスピードとテクニックを十分に見せつけて王座奪取したのだから評価されるだろう。ただ、天心の場合、どうしても「神童」と呼ばれたキックボクシング時代のイメージがつきまとい、見る側のハードルが上がる

今回も倒し切れなかったことへの物足りなさなど、やや批判的に見る向きも少なくない。昔から天心を応援していた個人的なファンではなく、長くボクシングを見てきた筋金入りのファンは特にその傾向が強い。実力以上に「人気先行」するスター候補は、いつの時代も注目される一方で批判にさらされるのだ。

評価の難しい今回の一戦。SPAIAでは独自にデータを集計し、過去の試合とも照らし合わせながら分析した。有効打の見極めは難しいが、ナックルパートを的確に当てたクリーンヒットのみを有効打としてカウントしている。