ASIAN KUNG-FU GENERATION『サーフ ブンガク カマクラ』
エフェクターを駆使しながらさまざまな音色を鳴らし、時に伸びやかなハイトーンボイスで後藤の歌声に寄り添う喜多、細やかな仕掛けを織り交ぜたビートを終始笑みを浮かべながら刻む伊地知、いぶし銀のプレイで包容力のある低音を奏でる山田。後藤は約25年間歩みをともにしてきた3人の奏でるアンサンブルに、豪快なギターの音色と情感あふれるボーカルを重ね、パワーポップというジャンルに特化して生み出した「サーフ ブンガク カマクラ」のナンバーを次々と届けていく。海通りを模した舞台は、ライティングによって時の移ろいを刻み、ステージが薄く桜色に染まり夜明けが表現された次の瞬間には、きめ細かな電飾が瞬き海の上に星空が描き出されるなど、アジカン流の“鎌倉物語”に彩りを添えた。なお「サーフ ブンガク カマクラ」はアジカンメンバーが敬愛するWeezerの1stアルバム(「Weezer」)を意識して作られたというエピソードを持つことから、本編で4人は「Surf Wax America」のカバーも披露。陽気なアンサンブルで、オーディエンスを極東の一角からアメリカの西海岸へと誘った。
ASIAN KUNG-FU GENERATION 2023.11.23
2008年にリリースされた作品では実在する15駅のうち10駅が楽曲になっていたが、晴れて2023年に残りの5駅分の楽曲とかつての10曲を再録したものが完全版としてリリースされて、バンドは現在全国津々浦々をアルバムツアーとして回っている。幼い頃からアジカンの大ファンである筆者もツアー最終日の鎌倉公演に参加予定である。
『サーフブンガクカマクラ』は、この一曲が持っているようなイメージやフィーリングを分解して、アルバム一枚使って日本的に(鎌倉を舞台に)立ち上げ直すようなイメージでもありました。成功したのかどうかは分かりませんが...。僕にとっては、アジカンでも最も気に入ってるアルバムのひとつです。
『ASIAN KUNG-FU GENERATION 2015.8.25
今回のツアーの主役となっているのは、7月にリリースされた最新アルバム「サーフ ブンガク カマクラ(完全版)」で、多くのリスナーから愛され続けてきた2008年リリースの同名アルバムの完全版。鎌倉駅と藤沢駅をつなぐ江ノ島電鉄、通称“江ノ電”の全15駅をモチーフにした曲で構成されていることから、鎌倉の地でのライブは凱旋的な意味合いを持つものに。23日公演の模様は国内外で生配信され、ファンはそれぞれの形で最新のアジカンサウンドにバージョンアップした名盤の楽曲を堪能した。
国内外でライブを行うなど経験を重ね、“成人”したバンド。技術や演奏環境など、手にしたことも多いが、後藤は「冒険心を失っていないだろうか」と疑問がわいた。大きな区切り。「老け込んでいる場合じゃない」と、50万枚以上を売り上げるバンド最大のヒット盤「ソルファ」(04年)を全曲再レコーディングしようと提案した。
横浜出身のギター・ボーカルの喜多建介(39)は、「ソルファは僕らにとって2枚目のアルバムで、たまに聴くと、恥ずかしいなぁと思うときもあった。でもゴッチ(後藤)から、丸々1枚とり直したいと聞いたときは、『無謀だな』と思った」と当初を回想。ところが、「『いまの体力(技術や知識などを含めて)でやろうよ』と言われて徐々に楽しくなりました。いい曲が多いなぁと思いましたし。バンドが成長するために必要だったと感じます」。
鎌倉生まれのドラム、伊地知(いぢち)潔(39)は「当時は、ないものを作り出そうと必死で、見えたものには何かすごい発明をしたような気持ちでいた。年を取るとリミッターがかかって、振り切ることがなくなってしまう。いまの自分に足りないこと」と20代の自身から学ぶところがあったよう。
「人生の半分、バンドをやっている。人生の半分も一緒にいる…」と苦笑いした4人。抱えていた違和感を自ら払拭(ふっしょく)し、音がつないだ絆はさらに強くなった。
“新生ソルファ”を携え、17日の幕張メッセ・イベントホール(千葉市美浜区)から全国5カ所でライブも行う。「『ソルファ』の曲はもちろん、普段やらない曲をたくさん挟んで、お祭り感があるライブにしたい。もうちょっと転がっていこうと思っている」と未来を見つめた。
今回のレコーディングは東日本大震災後に制作した「ランドマーク」(12年)などと同様、横浜のスタジオで取り組んだ。「藤沢ルーザー」「長谷サンズ」など江ノ島電鉄の駅名をタイトルに取り入れたアルバム「サーフ ブンガク カマクラ」(08年)など神奈川に縁がある作品も多い。後藤は、「『サーフ~』や『八景』など、アジカンには神奈川の風景を歌った曲があるので、大学がある京急(電鉄)の列車接近音に使用してもらえないかな。『リライト』とか、京急の方、どうでしょう」と笑った。
=(下)は27日掲載
コラボ三部作に通ずる“生きている喜び “ASIAN KUNG-FU ..
関東の名駅100線にも選ばれてる極楽寺駅前には自転車屋さんがある。閑散とした雰囲気の中に独自のゆるさがある空間で、江ノ電の15駅の中でプラットフォームが最も侘しい駅でもある。 駅の真横には極楽寺がある。花の寺として有名で桜と紫陽花など季節に応じて花々が咲き乱れる。筆者が鎌倉の推し寺として観光を検討している友人知人に勧めている寺の一つである。
この公開試聴会は、生徒のみんなと電話をつなぎ、アジカン先生に直接アルバムに対する質問をぶつけ、一緒に曲が聴けるというプレミア試聴会なのだ!!!
ちなみに『サーフ ブンガク カマクラ』とは、全曲に神奈川県にある江ノ島電鉄の駅名が冠されたコンセプト色の強いアルバム!
収録曲を曲順に紹介すると・・・
藤沢ルーザー
鵠沼サーフ
江ノ島エスカー
腰越クライベイビー
七里ヶ浜スカイウォーク
稲村ヶ崎ジェーン
極楽寺ハートブレイク
長谷サンズ
由比ヶ浜カイト
鎌倉グッドバイ
以上10曲!
その中で今日一発目にオンエアするのは『腰越クライベイビー』
アジカン「サーフ ブンガク カマクラ完全版」発売! 江ノ電 ..
通り過ぎてきたほとんどの風景は鎌倉の近くで暮らしていた頃の追認であり、あの頃よりも少しだけ歳を取った自分と過去の自分が抱いていた感情の対話が行われる。自転車のスピードで江ノ電をなぞることで、鎌倉、ASIAN KUNG-FU GENERATION、サーフ ブンガク カマクラと、道の中に配置されていた自分の存在に強く関わる概念をゆっくり進みながら解き解くことが出来た。電車や自動車では見過ごしてしまう風景との出会いもあった。