07 年以降のドル円相場は、1 ドル=115~124 円のレンジ内でドル高円
2024年8月2日と8月5日に、日経平均株価が大暴落しました。わずか2日間での約6,668円の下落は、1987年に起こった「ブラックマンデー」を超える過去最大の下げ幅だったと話題になりました。日銀がサプライズ的な追加利上げを実施したことで円高が加速。そこに米国景気が後退する可能性が懸念されたことで、株安・円高を招きました。
ドル円相場、プロの予想割れる 2025年は138円から160円まで
また、国際通貨基金(IMF)が発表している「世界経済見通し」(2024年4月)では、2024年・2025年の経済成長率が2023年と同じく3.2%と予測されています。経済成長率は1980年以降、おおむね年3〜4%で推移してきています。
今後も、人口が増え経済活動がある限り、経済成長は続くと考えられるでしょう。
経済が成長すると、企業も成長します。これまでにない画期的な製品やサービス、長期的な問題を解決する製品やサービス、独自性のある製品やサービスなどが生み出されることで、企業の価値が高まります。そして株価は、企業の価値を反映して上昇していきます。
ドル円予想 | 植田日銀総裁の講演待ち | 今日のアナリストレポート
*円「通貨10位(9位)、株価4位(17位)、日本が、また「失われた20年」に戻る危惧あり」
(独歩安の円の修正で世界の通貨が平準化)(除くメキシコとトルコ)
円は依然、堅調。7月の介入以降は最強。先週と今月はここまで2位。年間はまだ10位だが、首位ポンドとの差は6.25%で、介入前の首位であった南アランドなど8位までの通貨に10%以上引き離されていたことを思えば世界の通貨が平準化されている。もともと円の独歩安であり、他の通貨は介入前も後もドルとは大きく乖離していない。G7、G20でも為替は今後も議題にはならないだろう。
位置的には、日足、週足がボリバン下限に近いので短期的には一服する。月足は161円台から調整しているが、まだボリバン中位。中長期的には下げ余地がまだある。月足の下限は120円前後。
(ドル円需給)
ドル円の注文状況を見ると閑散で、まだ介入効果が続いている。ジワジワと時間をかけて影響。需給的には15兆円の輸出が出たようなものなので、円売り需要は減少している。今年はまだ貿易赤字だが金額は減少している。介入で円安効果が完全に相殺されたオルカンなどの外貨投信の買いが復活するかどうか。
(国会答弁で日銀植田総裁と鈴木財務大臣の発言)
注目の国会答弁で日銀植田総裁は、「日銀利上げ後の8月初めの株安は、米景気の減速懸念が急激に広がったことなどが要因」、「急激な円高は日銀の政策変更も背景にある」、「利上げは、物価見通しと輸入物価上昇による物価上振れリスクを考慮」と発言し、日銀の政策変更だけが市場を混乱させたわけではないとした。ただ市場の混乱は認識しているようで、「内外市場は引き続き不安定で高い緊張感を持って注視」とした。経済物価データ次第では利上げもあり得ることも示唆した。
一方、鈴木財務大臣は「デフレ脱却宣言していない。後戻りする可能性は否定できない。為替が急激に変化することは望ましくない」と発言し、大臣のインフレの認識と介入・利上げの政策との矛盾を抱かせた。
(今週も物価関連指標の発表あり)
7月消費者物価指数は前年比2.8%上昇、6月と同値であった。コアは2.7%、コアコア指数は1.9%の伸びで6月の2.2%から低下。今週は日銀の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」の発表がある。現状3つの指標のうち2つが2%を割り込んでいる。エネルギー補助金の終了やコメ価格の上昇があるが一過性のものではないか。また8月東京都区部の消費者物価の発表もある。世界的に見ると落ち着いた物価動向だ。
(日本が心配)
主婦を中心として物価高を抑制する世論も多い。選挙にも影響するので政府自民党は利上げや介入で対応。ただ円高になると企業収益、株価利益、税収も減少し、景気は悪化し、賃金の上昇も望めなくなる。
世帯主の給与が減ってまでしても物価が下がるのが良いのだろうか。円安・株価上昇・最高の企業収益と税収の好循環が崩れた時、あの「失われた20年」を思い出してしまう。
*米ドル「通貨5位(3位)、株価(NYダウ)11位(11位)、ハリス氏かトランプ氏かでの基本投資方針」
(ドル安株高)
前回の予想「緩やかな景気減速でドル下落、株価上昇か」の通りとなった。
米ドルは景気減速、インフレ低下、円買い介入で7月から下落している。ドルインデックスは6下旬の106台から100台へ下落。100割れも見えてきた。
今年は7月の日銀介入あたりまでは、12通貨中で年間首位に立つことも多かったが、現在は5位、8月はここまで10位と弱い。10年国債利回りは4%台から3%後半へ低下、株価は底堅くなってきた
ただ米株価は日本と異なり、為替や金利とはそう関係なく上昇している。
(次は0.25%か0.5%か)
日銀と異なり、FRBは議長、副議長、理事、地区連銀総裁で意見が異なることが多い。ただ前回も触れたが、2週間前からは、ほぼ全員が9月の利下げを示唆し始めていた。ジャクソンホールでのパウエル議長の「政策を調整する時が来た。インフレ率が2%への軌道にあるとの確信強めた」との発言も違和感はなかった。ただ、それで材料出尽くしとならなかったのは、今後の焦点が9月の0.25%から0.5%の利下げで迷う所となったからだ。9月FOMCまで、いつも通り、雇用統計と消費者物価の発表がある。そのデータ次第だが、それで予想利下げ幅が0.25%か0.5%なるかで、ドル下げの度合いが異なってくるだろう。
(今週の焦点)
今週の焦点は、7月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、2Q・GDP改定値、シカゴ購買部協会景気指数、ミシガン大学消費者態度指数・確報値が焦点となる。
(ハリス氏かトランプ氏かでの投資プラン)
大統領選挙戦が白熱してきた。どちらが勝っても、議会の多数派が民主党か共和党かも焦点。財政赤字の天井問題で、野党に反対されれば、経済まで行き詰ることとなる。ハリス氏が大統領となれば内外共に政治経済は大きく変わらないが、トランプ氏となると、内外の政治経済の枠組みが大きく変わってしまう。ただ大きな変革となる。大きな変革となれば時間がかかる。おそらく4年では時間が短い。政策・公約を成就できずに終わってしまい、また元の体制に戻るのではないか。トランプ政権で波乱があっても、その波乱で歪んで動いたものに投資し、次世代で刈り取りたい。
(GDPナウ、CPIナウ)
現在、3Q・GDPナウは2.0%、8月CPIナウは2.59%。利下げへ向える数字だ。
*ユーロ「通貨3位(4位)、株価6位(9位)DAX)、ECB関係者は9月利下げを示唆」
(ミニトリプル高の欧州市場)
12通貨中3位へ上昇。強い材料はないが、ドルの下落で上昇。株価では独DAXが先週1.7%上昇で年初来11.23%高、極右進出で揺れたフランスCACもプラス圏へ(年初来0.45%高)。欧州各国国債(10年)も今月は利回り低下、独10年国債は月初の2.3%から2.23%へ低下。
(先週の指標、力強さはない。サービス業は改善)
ユーロ圏8月総合PMIは51.2で7月の50.2から上昇。予想の50.1を上回った。サービス業が製造業の不振をカバーした。 サービス部門PMIは53.3で前月の51.9から上昇。製造業PMIは45.8から45.6に低下。
8月のユーロ圏消費者信頼感指数はマイナス13.4と、前月のマイナス13.0から0.4悪化した。
(今週はユーロ圏消費物価の発表)
今週は8月ユーロ圏消費物価の発表がある。予想は2.3%の上昇で7月の2.6%から低下。独の8月IFO企業景況感指数も発表される
(ECB関係者は9月利下げを示唆)
パネッタECB専務理事は9月の理事会で利下げを決定することを望むと述べた。「インフレが鈍化し、世界経済は減速しているため、今後は金融緩和の段階に入ると予想するのは妥当だと考えている」と述べた。レーン・フィンランド中銀総裁は、欧州の成長見通しに対するリスクが高まっていることから、9月会合での利下げの根拠は強まったとの考えを示した。
カザークス・ラトビア中銀総裁は、9月の会合で追加利下げを議論する用意があると発言。インフレ率の2%回帰に自信を示す一方で、景気を巡る懸念を表明した。
*ポンド「通貨首位(2位)、株価12位(10位)、年間首位奪回、ベイリー英中銀総裁=追加利下げを急ぐつもりはない」
(ポンドが年間首位奪回)
南アランドから年間首位の座を奪回。ただ対円では先週は下落した。FT株価指数は年初来7.69%高、10年国債は月初の3.96%から3.92%へ低下。
(総合)
8月の総合PMIは53.4と、4月以来の高水準となった。7月は52.8、予想は52.9。8月は成長率の上昇、雇用創出の改善、インフレ率の低下という歓迎すべき組み合わせが見られた。
(ベイリー英中銀総裁@ジャクソンホール会議)
ベイリー英中銀総裁は、長期的な物価圧力は緩和しつつあるとしながらも、インフレが抑制されたと確信するにはまだ早いため、追加利下げを急ぐつもりはないと述べた。
ベイリー総裁は、今後は慎重に動くとし、「インフレが低水準にとどまることを確認し、早すぎたり幅が大きすぎる引き下げにならないよう注意する必要がある」と述べた。
「根強いインフレを抑制するための経済的コストは、過去の事例と比べて小さくなっている可能性がある」とし、経済のソフトランディングのシナリオに沿ったディスインフレのプロセスに整合しているとの考えを示した。 同時に、インフレ期待が一段と安定していると「慎重ながらも楽観視」しているとしながらも、金融政策は「十分な期間にわたり制約的でなければならない」と述べた。
*豪ドル「通貨6位(6位)、株価15位(15位)、7月消費者物価は低下予想」
(RBAが利下げを検討するのは時期尚早と繰り返すも、豪ドルは、それほど強くなく6位)
RBAが利下げを検討するのは時期尚早と繰り返すも、豪ドルは、それほど強くなく6位。豪全株指数は年初来5.36%高、10年国債は3.89%でドルと米国債と近い。
(利下げの可能性は低い=RBAは議事要旨)
RBAは議事要旨で、短期的に利下げの可能性は低いとの見解で一致したことを明らかにした。 インフレを確実に抑制するには制約的な政策を「長期間」維持することが必要になる可能性に言及した。利上げの是非についても議論した。理事会メンバーは「市場が現在示唆するよりも長期間、政策金利を現行水準で維持することがインフレ率を妥当な時間枠で目標に戻すのに十分かもしれないが、今後の会合でこの可能性を再評価する必要がある」と判断した。
(7月消費者物価に注目)
7月消費者物価の発表がある。予想は3.4%で6月の3.8%から低下する。ただゴールドマン・サックスは、前月比で0.7%低下、前年比では2.7%と予想している。コアインフレに強固な粘着性が見られるものの、政府の生活費軽減策で消費者物価が大幅に押し下げられるためだ。
(4大銀行のうち3行が定期預金金利を引き下げた)
4大銀行のうち3行が定期預金金利を引き下げた。RBAは利下げを検討するのは時期尚早としているが、民間銀行はRBAが12月までに金利引き下げに踏み切る可能性があると注目を集めている。
*NZドル「通貨8位(9位)、株価13位(10位)、8月最強、AA+の信用格付け確認」
(NZドルは今月最強)
今月のNZは強い。先週と8月ここまでは最強だ。同期間で円より唯一強い通貨。ただ年間では8位。NZ50株価指数は年初来6.45%高、10年国債利回りは4.22%。
(AA+の信用格付け維持を確認)
フィッチは、財政黒字化への遅れにもかかわらずAA+の信用格付けを維持を確認し、見通しは安定的とした。これは政府の財政計画との強固な経済基盤に対する信任とみられる。
株安と同様の理由で、円高であっても積立投資をはじめることには特に支障はないと思われます。投資先が長期的に成長する資産であれば、為替レートが円高でも円安でも大きな影響は受けにくいためです。事実、前述のS&P500は為替レートの変動があっても右肩上がりになっています。
4月のドル円相場は、世界的な景気底打ち期待を背景とした株高を受け、6日にかけ101.45円まで円
*ドル円「続落、5日線が再び下向きに」
日足、3σ下限から反発も20日線に抵抗され反落。8月5日-23日の上昇ラインがサポート。8月16日-23日の下降ラインが上値抵抗。雲下。5日線、20日線下向き。
週足、再び雲中へ下落。ボリバン3σ下限からの反発も5週線越えず、現在2σ下限も下抜く。8月5日週-19日週の上昇ラインがサポート。8月12日週-19日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
月足、ボリバン2σ上限から下落。中位を割り込む。5か月線下向く、20か月線上向き。23年1月-2月の上昇ラインがサポート。
年足、ドル円年足、4年連続陽線も、ここ3年は上ヒゲが長い。今年はここまで「実体比」で最も長い。今年は3σ上限近くから下落。現在2σ上限辺り。22年-23年の上昇ラインがサポート。1985年-2023年の下降ラインを一時上抜くも再びその下降ラインの下へ下落。
*ユーロドル「年初来でドルを抜き去る。週足3σ上限」
日足、2σ上限へ。8月21日-22日の下降ラインを上抜く。8月20日-23日の上昇ラインがサポート。23年7月18日-24年8月2日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、3σ上限へ反発。雲下から雲上へ。8月12日週-19日週の上昇ラインがサポート。2年7月17日週-24年8月19日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、4月からの陰陽、陰陽のもみ合いから上抜け。雲中へ。雲の上に出るか。2σ上限越え。6月-7月の上昇ラインがサポート。3σ上限が上値抵抗。5か月線、20か月線が上向き。
年足、2023年は陽線。ドルより強かった。22年はボリバン2σ下限到達し長い下ヒゲでサポ―ト。今年は陰線の期間が長かったが陽転。22年-24年の上昇ラインがサポート。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。
*ユーロ円「ボリバン中位でもみ合う」
日足、ボリバン中位でもみ合う。8月5日の長い下ヒゲで反発。8月5日-23日の上昇ラインがサポート。8月16日-23日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、ボリバン2σ上限から3σ下限へ急落も、8月5日週の長い下ヒゲで8月12日週も反発。先週は反落も雲の上は維持。8月12日週-19日週の上昇ラインがサポート。8月12日週-19日週の下降ラインが上値抵抗。5週線下向き、20週線も下向く。
月足、6か月連続陽線後に大陰線。ただ今月は下ヒゲ長く盛り返している。ボリバン上位維持。22年3月-24年8月の上昇ラインがサポート。5か月線下向く、20か月線上向き。
年足、4年連続陽線。24年も上ヒゲが長くなったがここまで陽線。22年-23年の上昇ラインがサポート。08年-23年の下降ラインを上抜く。
によると、2024年1月〜6月までの海外の株式・ファンドの買い越し額は6.1兆円。これはすでに2023年の1年間の規模(4.5兆円)を上回っています。月1兆円ペースで海外への投資が行われることで、為替レートは円安傾向になると考えられます。
豪ドル円相場で一時、99円割れ寸前まで豪ドル安が進んだ。トランプ氏の対中関税をめぐる言及が材料視されたが、見通しでは底堅さも示されそうだ。
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また、投資の名著とされる『ウォール街のランダム・ウォーカー』(バートン・マルキール著/日本経済新聞)では、1950年〜2020年の期間において、広く分散された株価指数の一例として、「S&P500」に長期間の積立投資をすることで市場平均を上回る良好な投資成果が得られたという分析結果が紹介されています。あくまで一例としてS&P500が紹介されているだけですので、世界株価指数などでも同様の結果になるでしょう。
【2024年前半】豪ドル円(AUD/JPY)の今後の見通し・予想
2024年の株価は、7月まで堅調でした。日本株の株価指数「日経平均株価」、米国株の株価指数「ダウ平均株価」「S&P500」などが軒並み史上最高値を更新しました。為替レートも34年ぶりに一時1ドル=160円を突破。その影響で、外国株式に投資する投資信託の多くも値上がりしました。
しかし、8月に入るとその状況が一変します。
豪ドルの強みを再度確認しながら今後の見通しを考えます。 (制作協力:レッグ・メイソン・アセット・マネジメント)
マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』(宝島社)など書籍100冊、著書累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧twitter)→@yorifujitaiki
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
この米ドル/円の循環的高値パターンを参考にすると、米ドル/円は2028~2033年に次の高値を記録し、その高値は2024年7月の161円を上回る可能性が高いという見通しになる。要するに、円安が161円を更新するのは、早ければ4年程度後の2028年だが、最も遅い場合は2033年と、この先10年近くも後になる可能性がある。
今月月初に1ドル152円台でスタートしたドル円は、中旬に一時156円台まで円安が進み、足元でも155円前後とドルが高止まりしている。
ところで、2022年以降断続的に起こった150円を超える米ドル高・円安は、5年MA(移動平均線)を3割程度と大きく上回るものだった。このように、5年MAを3割上回る米ドル高・円安は今回に至る前、つまり1980~2021年までの40年余りの中で2回しかなかった。さらに5年MAを2割以上上回ったケースまで広げても3回だけだった(図表2参照)。
ただ、米国株が上昇するなかでリスクオンの円安が強まったため、米
すでに歴史的インフレは終息し、異次元緩和も見直しが始まっている。そうであれば、161円以上の米ドル高・円安を正当化するほどの日米金利差円劣位拡大の再現は簡単ではないように感じられる。そして、161円を更新する米ドル高・円安は、すでに見てきたように5年MAを少なくとも2割以上上回る必要がありそうで、それは10年に一度あるかといった現象だ。
急速に進む円安修正~今後のシナリオを展望する | ニッセイ基礎研究所
以上のように、米ドル/円の高値サイクルを単純に当てはめると2028~2033年に161円を更新する見通しになるものの、そのタイミングは早くなるより遅くなる可能性が高いだろう。そうであるなら、円安が161円を更新するのは2030年以降の可能性が高いのではないか。
安が進む展開になった(図表 1)。5 月以降、米日金利差や円キャリートレ
ドル円相場の今後の為替動向については割合に簡単であると思う。まずは以下のドル円年足チャートをご覧いただきたい。
➢ 円は日米金融政策の方向差から 7-9 月期に強含む場面がみられるも、総じて弱かった
それからはチャートを見てのとおり、カーターショックから16.5年後の1995年4月に次の安値、79円75銭の記録的なドル安を記録した。今度はそこから16.5年が経過、日本が東日本大震災に見舞われた2011年10月にドル最安値、75円53銭となった。
裏切り続ける円、25年こそ反発とストラテジスト予想-金利差縮小
為替レートの代表であるドル円レートは、日米両国の経済状況や金融政策、国際情勢など様々な要因により変動し、企業業績や投資家心理に大きな影響を与えるため、市場参加者から常に注目を集めている。近年の円安については投資家の間でも意見が分かれており、アメリカ経済の力強い回復や金利上昇期待を背景にさらなる円安を予想する投資家がいる一方で、日本経済の緩やかな回復や国際情勢の不確実性から円高局面への転換を予想する声もある。
円高見通しが2年連続で外れる公算が大きい為替市場では、3度目の正直が2025年にはやってくるとストラテジストらはみている。
そのようななか、人工知能(AI)を用いたドル円レート予測手法が注目を集めている。AIは膨大な過去データや経済指標、ニュース情報などを学習し、それらの複雑な相関関係を見出すことで予測精度を高めている。また、AIによる予測は、人間の感情に左右されることなく客観的かつ迅速に行われるため、市場参加者の意思決定をサポートする有力なツールとして期待が高まっている。一方で、その仕組みは非常に複雑であるため、予測結果の解釈や活用については確立されていない部分も多い。さらに、AIによる予測は過去のデータにもとづいているため、予期せぬイベントや市場の変化に対応することが難しいという指摘もある。
日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%の利下げが決定さ
まず、「過去のレートの分析」工程で、ドル円レートの1996年以降のデータをAIに読み込ませ「1996年からの直近のドル円レートを分析してください」と指示したところ、AIはその週次データを解析したうえで、「長期的なレンジ相場」「1998年から2012年にかけての円高トレンド」「2012年以降の円安トレンド」「新型コロナショック後の急激な変動」「直近の動向」という5つの特徴について、以下の通り洞察した(図表1)。すなわち、「過去28年間、ドル円レートは80円から150円のレンジ内で推移しているが、1998年から2012年にかけての円高トレンドに続き、2012年以降は日銀の金融緩和政策や米国の金利上昇を背景に円安トレンドに転じた。2020年の新型コロナショックでは一時的に円高が進行したが、その後はドル高・円安方向に振れた。2023年に入ってからは127円から153円の範囲で推移し、米国の利上げペース鈍化観測から上値の重い展開となっている。今後の動向は日米の金融政策の違いやグローバルな経済情勢に左右される」というものである。
外国為替市況(日次) : 日本銀行 Bank of Japan
トランプ大統領の就任に伴い、経済、金融、外交といった様々な分野で大きな政策転換が予想される。前回のトランプ政権時には、保護主義的な通商政策やトランプ流外交により、為替市場が大きく揺さぶられた。再び同様の政策が採用された場合、現在の為替相場にどのような影響を及ぼすのか。