為替相場を分析する際に、なぜドル指数にも目を向けた方がよいのか。


チャート分析ツールのトレーディングビューを使って、ここ最近のドル指数の動きを確認してみよう。以下のチャートは、2022~2023年 (2023年2月18日時点) に、ICEのドル指数がどのように動いたかを示している。


米ドル指数は、主に以下のような組織や企業が算出して公開しています。

ドルインデックスとは、ユーロ・円・ポンド・スイスフランなど複数の主要国通貨に対する米ドルの強さや価値を指数化したものだ。米ドルの総体的な価値を示し、ドルインデックスの数値が高いと主要通貨に対して米ドルが買われている (強い) ことを示し、低いと米ドルが売られている (弱い) ことを示す。

ドルインデックスは、複数の組織が、それぞれ独自の方針に則って算出しており、正式名称は各機関によって異なる。各組織のドルインデックスの違いは、構成する通貨の種類や割合などである。主なものは以下のとおり。

ドル円チャートを見るだけでは不十分 ? 「ドル指数」も見る重要性

ドル指数は、2022年は序盤こそ96前後を推移していたが、3月ごろから上昇を始め、4月には節目の100を突破。その後もさらに上昇を続け、9月には114台をマークした。9~10月を境に今度は下落に転じ、2023年2月には100に迫る動きをみせている。

ドル指数が2022年に大きく上昇したのは、FRBが同年に相次いで金利を大幅に引き上げたことが関係している。一般的に、米金利が上昇すると米ドル資産を保有しようとする動きが強まり、自国通貨を売って米ドルを買う取り引きが活発になる。

「ドルインデックス」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書

具体的な算出方法は各インデックスで異なるが、どの場合もインデックスに含まれるそれぞれの法定通貨に対して米ドルの強さがどうであるかではなく、すべてまとめた「バスケット」としての強さを表している。とはいえ、算出された数値が高ければ米ドルの価値 (強さ) が高く、数値が低ければ米ドルの価値 (強さ) が低いという関係はどれも同じ見方ができる。

構成通貨の数が異なると、どのドルインデックスを見れば良いか迷ってしまうかもしれないが、米ドルの大体の方向性を確認することが目的であれば、どのドルインデックスでも大きな問題は生じないだろう

デジタル大辞泉 - ドル指数の用語解説 - ⇒ドルインデックス.

ここからは、ICE (インターコンチネンタル取引所) のドルインデックスについて解説を進めていこう。ICEのドルインデックスは、他のインデックスと違ってリアルタイムで更新されることもあり、外国為替市場の取引参加者が最も目にするドルインデックスだ。もともとは、1973年にFRB (米連邦準備理事会) によって開発されたが、現在はICEが算出している。

ドル指数はどのように算出されるのか。ここでは、計算方法を公表し、およそ15秒ごとに算出されているICEのドル指数を使って概要を確認したい。ICEのドル指数を構成している6通貨と構成比率は以下の通りだ (2023年2月17日時点) 。


NY外為:ドル指数再び200DMA上回る、米年内の利下げ観測後退

このように、ドル指数を確認することで、ドル円相場の変動の背景にある動きをより正確に分析できる可能性が高まるのだ。

NY外為:ドル下落に転じる、ドル指数200DMA試す | 企業情報FISCO

ドル指数はドルが買われているのか売られているのかを示す重要な指標で、ドル円相場を分析する際の一助になるだろう。大切なことは、マーケットをより俯瞰的に見て、投資判断の質を高めていくことだ。

2023年 3月13日: 名目実効為替レート(円インデックス)算出にかかるウエイト変更について ..

ドルインデックスは、それ自体を取引することもできるが、為替予測などに活用することもできる。例えば、昨今のドル円では「ドル高円安」傾向が続いている。しかしこのドル高円安が「米ドルが買われていることによるドル高円安なのか」それとも「日本円が売られていることによるドル高円安なのか」を見極めることは投資をするうえで重要であり、それを見極めるツールの一つがドルインデックスなのである。

【東京市場】ドル指数は33ヶ月ぶりの73割れ 仲値ではドル買いも

ドルインデックスとは、ユーロや円、ポンドなど主要な通貨に対する米ドルの強さを示した指数です。一般的に、ドルインデックスが上昇していると主要通貨に対して米ドルが強い(買われる)と判断し、下落していると米ドルが弱い(売られる)と判断します。

ドル指数、22年以来の高値-米利下げペース鈍化をFOMC予測が示唆 ..

米連邦準備制度理事会 (FRB) が公表しているドル指数と、インターコンチネンタル取引所 (ICE) が公表しているドル指数 (USDX) が代表的だ。FRBのドル指数は26通貨から構成される一方、ICEのドル指数は構成通貨が6通貨と少なく、構成比率もユーロの割合が過半数と高いなど、それぞれに特徴がある。

ドル指数、昨年11月以来の高値 – 豊トラスティ証券マーケット情報

ドルインデックスは、インターコンチネンタル取引所(ICE)や国際決済銀行(BIS)など複数の機関が作成しており、作成元により算出方法が異なります。例えば、ICEは6通貨を対象として算出しているのに対し、BISは約60通貨を対象として算出しています。

ユーロや円などの主要通貨に対する米ドルのレートを示す「ドル指数」が、過去3カ月で約2.5%下落したことが分かった。

ドル高円安が進んでいる最中、ドルインデックスが上昇していたとしよう。ドルインデックスが上昇するということは、米ドルが、日本円を含めた世界の主要通貨に対して買われているということだ。この場合は「米ドルが買われている (強い) ことによるドル高円安」と言える。

ドル指数100・・・・米国のドル高対応 | 企業情報FISCO

しかし、ドル高円安が進んでいる最中、ドルインデックスが下降していたらどうだろうか。ドル高円安が進行していても、米ドルに対して日本円以外の主要通貨が上昇すれば、ドルインデックス指数は下降してしまうのだ。この場合、日本円以外の主要通貨に対してはドル安だが、その米ドル以上に日本円が売られているので「日本円が売られていることによるドル高円安」と言える。

米ドル指数 先物ライブチャート | USDIDX 相場 | IFCM ジャパン

また、ドルインデックスが横ばいにも関わらず、ドル円為替レートが大きく変動するパターンも想定できる。このように、ドル円為替レートを見ると同時に、ドルインデックスも確認すれば、このドル高円安の背景をうかがうことができ、「ドル高が主因なのか」それとも「円安が主因なのか」を判断しやすくなる。

NY市場、ドル指数が1年4カ月ぶりの高値 米利上げ観測や欧州リスクでユーロなど下落

前述したように、ドルインデックスが上昇している場合は主要通貨に対し米ドルが強い(買われている)、下落している場合は弱い(売られている)と判断するのが一般的です。しかし、もう一つドルインデックスの使い方があります。それは、現在の相場はどの通貨で動いているのかを分析することです。

[動画で解説] ドルインデックス(ドル指数)とはー見方と特徴ー

ドル指数の上昇はドルが他国通貨に対して買われている (=強い) 傾向を示し、反対に下落はドルが売られている (=弱い) 傾向を意味する。

ドル円は円高に推移『物価高、失業率増加で最悪の結果に』【新NISA/2ch投資スレ/利下げ/S&P500/NASDAQ100/FANG+】

行き過ぎた円安と言われるなかで、介入と思われる為替動向の急転換や2024年8月はじめの米国景気悪化懸念による米ドルの急転落など、為替レートの変動が激しさを増している。だからこそ、ドルインデックスでその背景を知ることは今後の為替レートの予測に役立つだろう。

DOLLAR INDEX SPOT (DXY) スポットレート

なお、ドルインデックスは基本的に米ドル円との相関関係があるが、時間帯によっても相関関係の強弱が変わることには注意したい。一般的に、米ドルの取引が活発になるニューヨーク時間に相関関係が強くなりやすいと言われている。これは、ニューヨーク時間では日本円の価値があまり変わらず、通貨の価値の変動が米ドル中心になりやすいからだ。

【新興国通貨】円安進行でドル円156円台、トルコリラ円の上昇をけん引、目先の見通し

1つ目の世界経済に与えるインパクトであるが、世界通貨のなかでも米ドルは貿易や石油、金融などあらゆる取引において最も取引量が多い。そのため、米ドルの価値の変動は単に米国経済だけでなく世界経済の動向や他の通貨へも大きな影響を与えることになる。また、外貨建て商品への投資に必要不可欠な為替レート予測をするうえでその背景を知ることが重要なのは前述したとおりである。

ブルームバーグ通貨指数 | Bloomberg Professional Services | Japan

ICEのドルインデックスは、他のドルインデックスに比べユーロの比率が高いため、対ユーロでのドルの強弱の影響を受けやすいところがあります。そのため、次のドルユーロのチャート(ユーロドルを上下逆さにしたチャート)のように、ドルユーロと近い値動きになりやすいのが特徴です。

今週の展望:NY金は1,860~1,910ドル、国内金価格は7,700~8,000円を想定

「変動の主因が通貨ペアのどちらにあるのか」を判断することにより、為替レートの予測に役立ち、大きく的を外さないことが挙げられる。例えば、このドル高円安の主因が円安だったとしよう。しかし、ドルインデックスをしっかり確認しないと「何かのニュースで積極的にドルが買われたのではないか」と誤った認識をしてしまうかもしれない (この場合、確かにドルは買われたが「積極的に」買われたわけではない。あくまで円を手放した資金の受け皿となった結果である) 。