[PDF] 投資のヒント 足元の豪ドル相場の堅調な背景と年後半の展望


ふくおかフィナンシャルグループのチーフ・ストラテジストの佐々木融氏が登壇。
2024年は波乱に満ちた1年となり、市場や経済は変化を遂げましたが、2025年のマーケットはどうなるのか!?
外為どっとコム総合研究所の神田調査部長とドル円を中心とした為替相場の見通しや、金融・経済の展望を解説します。


【FX】「2025年のドル/円の見通し ユーロ、ポンド、豪ドルの動向は!?」【志摩力男氏】外為どっとコム

特に有名なアノマリーとして、「ゴトー日(5・10日)アノマリー」があります。これは、金融機関が顧客に適用するその日のレートを決める日本時間の午前10時ごろの「仲値」に向けて、特にグローバル企業の決済が集中しやすい5や10のつく日は米ドルが買われて円安になりやすい傾向にあるというもので、この動きを利用した「仲値トレード」と呼ばれる取引手法は一部のFXトレーダーから注目されています。

【現状分析と市場環境】
日本の衆院選の結果を受け、政局の不透明感から市場はドル円が153円台後半まで上昇する展開となりました。次期総理大臣が未定である状況下、市場は一時的に株高・円安という反応を示しています。特に注目すべきは、アメリカ経済が依然として想定以上の強さを維持していることです。雇用統計は予想を上回り、消費動向も堅調を保っています。この背景には株価の上昇による資産効果が大きく寄与しており、S&P500やナスダックの好調が個人消費を下支えしている状況です。
【アメリカ大統領選の影響と見通し】
来たる大統領選では、勝者によって経済政策が大きく異なる可能性があります。トランプ氏が勝利した場合、輸入関税の引き上げや移民規制の強化が予想され、これにより人手不足の深刻化やインフレ圧力の増大が懸念されます。また、減税政策の継続や法人税率の引き下げにより、財政赤字の更なる拡大も予想されます。
一方、ハリス氏が勝利した場合は、住宅促進策や子供税額控除、医療費支援など、中間層支援を重視した政策が展開される可能性が高くなります。これはバイデン政権からの政策の継続性を示すものであり、より緩やかな利下げ路線が継続されると予想されます。しかし、米議会がねじれる可能性も考慮する必要があります。
【為替相場の見通し】
短期的には、ドル円は155円程度までの上値余地があるものの、この水準に近づけば当局による為替介入の可能性が高まります。すでに政府・財務省からの円安牽制発言が増加している点にも注意が必要です。
中長期的な視点では、今年7月につけた162円近辺が9年サイクルの高値となる可能性が高く、2025年中頃には135円程度まで円高が進行すると予想されています。この見方の背景には、日米金利差の緩やかな縮小や、日本企業による国内資金管理の強化、配当や自社株買いによる円需要の増加などが挙げられます。
【リスク要因と今後の注意点】
アメリカ経済においては、家計の借金返済余力の低下やクレジットカード債務の増加、住宅ローン・自動車ローンの返済負担増大など、消費を抑制する要因が徐々に表面化しています。また、賃金上昇の頭打ちや求人数の減少傾向も見られ始めています。
日本においては、政局の不透明感に加え、日銀の金融政策転換のタイミングや財政状況の悪化、増加する社会保障費など、構造的な課題が存在します。さらに、中国経済の動向や地政学的リスクなど、グローバルな要因にも注意を払う必要があります。
【投資戦略への示唆】
このような環境下では、米大統領選前後は特に慎重なポジション運営が求められます。過度な思惑取引は避け、リスク管理を徹底することが重要です。中長期的には円高方向へのバイアスを意識しつつ、段階的なポジション構築を検討することが賢明でしょう。
政治イベントによる市場変動リスクが高まる中、機動的なポジション調整能力を保持しながら、長期的な視点も維持することが重要です。特に、日米両国の政治動向、経済指標の推移、金融政策の方向性、そして市場センチメントの変化には十分な注意を払う必要があります。

ドル円相場、下半期大荒れ 1%超の騰落続出 2025年の見通しは?

2023年12月のFOMCでは市場が織り込む利下げの可能性は低く、日銀も利上げを見送る見通しです。市場は7割程度の確率で利下げを織り込んでいますが、米経済の底堅さを背景に、FRBは慎重な姿勢を維持する見込みです。パウエルFRB議長も米経済は予想以上に強いとの見方を示しており、このシナリオ通りであれば、ドル円は155円まで上昇する可能性があります。また、日銀については一部で利上げ観測もありましたが、ドル円の上値が重い状況や政治的な不確実性から、年内の利上げは見送られる可能性が高まっています。

2025年は前半と後半にそれぞれ1回の利上げが予想され、政策金利は0.75%程度まで上昇する見通しです。特に注目すべきは、予想以上のインフレシナリオの可能性です。深刻な人手不足を背景とした賃金上昇圧力により、企業は価格転嫁を余儀なくされており、インフレ率が予想以上に上昇する可能性が指摘されています。
しかし、仮に利上げを実施しても、インフレ率の上昇スピードが金利の上昇スピードを上回るため、実質金利のマイナス幅はむしろ拡大する可能性があります。例えば、インフレ率が3%になり、政策金利が0.75%になったとしても、実質金利のマイナス幅は現在より拡大することになります。これは円安要因として働く可能性が高いと分析されています。

ば、豪ドル相場は対米ドルでは引き続き米 FRB の政策運営見通しに揺さぶられる展開が続く一方、日本円

アメリカ経済は「一人勝ち」状態が続いており、その優位性は2025年も継続する見通しです。特に注目されるのは、トランプ次期政権の経済政策です。財務長官としてスコット・ベッセント氏の起用が示唆されていることから、極端な保護主義的政策は回避される可能性が高いとされています。ベッセント氏は関税引き上げに否定的な立場で知られており、むしろ財政赤字削減と規制緩和を通じた民間主導の経済成長を重視する姿勢を示しています。
また、アメリカのIT関連企業の競争力は依然として強く、株式市場への好影響も継続する見込みです。米国家計の金融資産の約4割が株式であり、株価上昇による資産効果も個人消費を下支えする要因となっています。

2025年のドル円相場は170円まで上昇する可能性があります。この予想の背景には、複数の構造的要因があります。第一に、日本の実質金利が継続的なマイナス状態にあること、第二に、アメリカ経済の構造的な強さ、第三に、日本の円安要因が不変であることが挙げられます。
特に注目すべきは、過去4年間にわたって円が主要通貨の中で最も弱い通貨となっている点です。アメリカ経済の一人勝ち状態が加速する中、この傾向は今後も継続する可能性が高いと分析されています。

最新為替見通し|UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント株式会社

幅広い金融知識と豊富なマーケット経験を兼ね備えた経済アナリスト、田嶋智太郎氏が登壇!
世界中の投資家が注目する、4年に1度の米国大統領選挙がいよいよ来週行われます。
アメリカの経済政策はどう変わるのか!?米大統領選がもたらす、経済・金融市場への影響は?
外為どっとコム総合研究所の中村研究員が聞き手となり、米ドル/円相場の行く末について、徹底解説します。

日本経済は深刻な構造的問題に直面しています。人口動態を見ると、20代の人口は60代の8割、10代の人口は50代の6割、10歳未満は40代の半分しかおらず、労働力不足は今後さらに深刻化する見通しです。
また、対外直接投資の継続も大きな課題となっています。2023年9月までのデータでは、対外直接投資は過去最高を更新する勢いです。これに伴い、かつては黒字だった電気機器の貿易収支も赤字に転落しており、日本の貿易構造にも大きな変化が生じています。
さらに、国債問題も深刻です。日銀のバランスシートは大きく拡大しており、政策金利の引き上げは多額の利払い費用を発生させる可能性があります。これにより、金融政策による円安抑制が困難な状況が続いています。


以上を踏まえると、2025年の豪ドル/米ドルは、2024年のレンジを下方修正し、0.6~0.7米ドル中心での展開と予想したいと思います。

2024年の豪ドル/米ドルは、0.63~0.69米ドル程度の小幅のレンジで、2023年に続き方向感のない動きに終始しました(図表1参照)。米ドル/円がここ数年記録的に大きな変動が続いていることと対照的に、豪ドル/米ドルの小動きが長期化している最大の理由は小幅な金利差でしょう。

「マネースクエア四季報」は、3カ月ごとに向こう6カ月の為替相場見通しを提示。 ..

米ドル/円と同じアノマリーは株価指数にもあるのでしょうか。NYダウは1901年以降、日経平均株価は1953年以降の米大統領就任式があった年の始値と1月の終値(月足の終値)、12月の終値(年足の終値)を調べて、1月の月足と年足の方向が一致しているかどうかをまとめたのが以下の表です。

豪ドル/NZドル:1.05000NZドル~1.13000NZドル

Bloombergが集計する主要17通貨の上昇率をみると、24年7-9月期(9/27まで)に円が1位、米ドルは最下位(下落率1位)のメキシコペソに次いで下から2番目でした。日銀が7月末に3月に続いて2回目の利上げを実施して金融政策の正常化を進めたこと、その他の主要中央銀行が利下げを実施し、なかでも米FRBの大幅な利下げ観測が強まったことなどが背景です。金融政策の方向性に大きな変化がなければ、「円高」「米ドル安」が25年3月までの為替相場の基本となりそうです。

当面の注目ポイントは、日銀の利上げやその他主要中銀の利下げが市場予想の通り進むかどうか。





9月27日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む日銀の0.25%利上げの確率が5割を超える(=メインシナリオ)のは25年1月以降です。ただ、同9月時点でも同確率は9割弱に過ぎず、わずかながら「利上げナシ」との見方もあるようです。一方で、米FRBについては25年9月までに計2.0%の利下げがほぼ100%織り込まれています。同様に、ECBは同9月までに計1.64%、BOEは同じく計1.59%の利下げが織り込まれています。金融政策面からみた主要通貨の序列は「円>英ポンド≧ユーロ>米ドル」です。

日米の政治情勢も重要でしょう。日銀の利上げに批判的だった高市氏の敗北を受けて「円高」が示現しました。今後は誕生が確実な「石破政権」がどのような経済政策を運営するかが注目されます。石破政権が財政緊縮を進めるならば、日銀の利上げは難しくなると考えられますが、果たしてどうか。

米国では11月5日の大統領選挙の結果、25年1月20日に誕生するのは「ハリス政権」か、「トランプ政権」か。「ハリス政権」なら財政拡張が、「トランプ政権」ならFRBへの干渉やインフレ的政策が、いずれも長期金利の上昇につながる可能性があります。ただ、市場がそれを「悪い金利上昇」と判断すれば、米ドルに下押し圧力が加わる可能性があるでしょう。新大統領が実際にどのような政策を打ち出すのか。新しい議会の勢力図がどう変わって、新大統領の政策を実現させるのか、そして、市場がどう反応するか、大いに注目でしょう。

◇2025年3月までの主なイベント:
10月9日 衆院解散?
10月27日 衆院選投開票?
11月 5日 米大統領選挙・総選挙
25年1月20日 米新大統領就任


米景気の堅調が続けば、FRBの利下げに関する市場予想は修正されるかもしれません。逆に、労働市場が急速に悪化して景気の失速が懸念されれば、市場予想の通り、あるいはそれ以上に利下げが進められるかもしれません。

日銀は金融正常化を慎重に進める意向のようです。利上げの条件である金融市場が安定化したと判断するのはいつでしょうか。FRBなどの主要中銀が利下げを続け、その結果もあって「円高」が進行するならば、日銀の追加利上げは遠のくかもしれません。

米ドル/円は日米長期金利(10年物国債利回り)差との相関を取り戻しています。9月中旬に23年6月以来の安値をつけた米長期金利が一段と低下して、日米金利差が縮小すれば、米ドル/円に下押し圧力が加わりそうです。それとも、9月中旬以降の米長期金利上昇は5-9月の低下トレンドの転換を示唆しているのでしょうか。そうであれば、米ドル/円の下落余地は大きくないかもしれません。<西田>






ECBは6月と9月に利下げを実施し、主要政策金利である中銀預金金利を3.50%としました。市場は次回10月の理事会を含め、25年7月までの7回の理事会で毎回0.25%利下げを行うペースでの利下げを織り込んでいます。市場が予想するECBの利下げペースはFRBのそれよりもやや遅めです。ただし、9月のユーロ圏総合PMI(速報)が今年2月以来となる50割れを記録するなど、景気停滞感が強まっており、ECBが(0.50%幅を含め)利下げを積極化させる可能性があります。その場合、対円のみならず対米ドルや対英ポンドでもユーロには下押し圧力が加わるかもしれません(*ユーロ/英ポンドについては英ポンドの項もご参照ください)。<西田>









英国は今年、昨年後半のリセッション(景気後退)からを脱しましたが、足もとで再び低迷しているようです。月次GDPは4-7月のうち5月を除いて3カ月で横ばいでした。インフレについては、BOE(英中銀)の期待通り鈍化してきましたが、BOEはCPIサービスの高い伸び(7月に前年比5.2%)には懸念を抱いているようです。

金融政策の観点からは、英ポンド/円には下落圧力が、英ポンド/米ドルには上昇圧力が加わりそうです。また、9月27日のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、BOEはECBと同じようなペースでの利下げが予想されていますが、両者の間には徐々に差ができるかもしれません(BOE利下げ幅<ECB利下げ幅)。その場合、ユーロ/英ポンドには下落圧力が加わり、16年英国民投票後の安値(0.81979ポンド)を試すかもしれません。<西田>








RBA(豪中銀)は23年11月に利上げを実施した後、24年9月まで7会合連続で政策金利を4.35%に据え置きました。9月会合時の声明では、先行きの金融政策について「(RBA)理事会は何も決定しておらず、何も排除していない」、「インフレ率が目標レンジに向かって持続的に鈍化しているとの確信が得られるまで、政策は十分に(景気)抑制的である必要がある」と改めて表明されました。

米FRBやECB(欧州中銀)など、日銀を除く主要中銀の多くが今後追加利下げを行うとみられる一方で、RBAは政策金利を当面据え置きそうです。このことは豪ドルにとってプラスになると考えられます。

今後、日銀が追加利上げを行うとしても、RBAが政策金利の据え置きを続ければ、RBAと日銀との政策金利差はそれほど縮小しないと考えられます。金融政策面からみれば、豪ドル/円は底堅く推移する可能性があります。

豪ドル/米ドルについては、FRBの金融政策も重要です。FRBが利下げを継続する場合、豪ドル/米ドルは堅調に推移しそうです、
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【豪ドル/NZドル】
RBAは政策金利を当面据え置くとみられる一方で、RBNZ(NZ中銀)は8月の会合で利下げを実施して今後も利下げを継続することを示唆しました(*詳細はNZドルの項をご参照ください)。RBAとRBNZの金融政策面から見れば、豪ドル/NZドルには上昇圧力が加わりやすいと考えられます。

ただ、豪州の失業率はジリジリと上昇しており、24年7月と8月は4.2%と22年1月以来の高い水準になりました。RBAの次の一手は利上げではなく利下げになる可能性の方が高そうです。将来的にRBAの利下げが現実味を帯びれば、豪ドル/NZドルは軟調に推移すると考えられます。<八代>









RBNZ(NZ中銀)は8月の政策会合で0.25%の利下げを実施し、政策金利を5.50%から5.25%へと引き下げました。

RBNZが8月会合で公表した金融政策報告では、政策金利は24年10-12月期に四半期平均4.92%、25年10-12月期に同3.85%へと低下するとの見通しが示されるなど、今後も利下げを続けることが示唆されました。

RBNZと日銀の政策金利差は今後さらに縮小していくと考えられます。金融政策面から見れば、NZドル/円は上値が重い展開になるかもしれません。

NZドル/米ドルについては、米FRBの利下げペース次第ではそれほど下がらない可能性があります。<八代>







BOC(カナダ中銀)は6月・7月・9月の3会合連続で利下げを実施しました。マックレムBOC総裁は9月24日の講演で「政策金利のさらなる引き下げを期待するのは妥当だ」と述べ、追加利下げを示唆しました。

市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場では25年3月までに合計1.25%の利下げが行われるとの見方が有力です。BOCと日銀の金融政策の差を考えると、カナダドル/円は軟調に推移する可能性があります。

米ドル/カナダドルは22年9月以降、おおむね1.30000カナダドル~1.40000カナダドルのレンジで推移しています。FRBとBOCのいずれも利下げ方向にあることから、米ドル/カナダドルには明確な方向感が出にくいと考えられます。

原油価格(米WTI原油先物など)が大きく変動すれば、それにカナダドルが反応する可能性があります。原油価格の下落が続く場合、カナダドル安材料になりそうです。<八代>






TCMB(トルコ中銀)は24年3月に利上げを実施した後、9月まで6会合連続で政策金利を50.00%に据え置きました。9月会合時の声明では、「月次のインフレ(率)の基調的なトレンドが大幅かつ持続的に低下し、インフレ期待が(TCMBの)予測範囲に収束するまで、金融引き締めスタンスを維持する」と表明されました。

TCMBの政策金利の高さやタカ派的な金融政策スタンスは本来、トルコリラにとってプラスになると考えられるものの、トルコリラは軟調に推移しています。その主な要因として、トルコの実質金利(政策金利からCPI上昇率を引いたもの)が依然としてマイナスであることが挙げられます。

トルコのCPI(消費者物価指数)は24年5月の前年比75.45%をピークに鈍化しており、8月の上昇率は51.97%でした。今後、実質金利がプラス(CPI上昇率よりも政策金利の方が高い状況)に転じてさらにプラス幅を拡大していけば、トルコリラは持ち直す可能性があります。

TCMBの金融政策に関するエルドアン大統領の発言に注意は必要です。エルドアン大統領が再び金融政策に干渉するようなら、トルコリラには下押し圧力が加わりそうです。<八代>




SARB(南アフリカ中銀)は9月の政策会合で0.25%利下げすることを決定し、政策金利を8.25%から8.00%へと引き下げました。SARBが利下げしたのは20年7月以来およそ4年ぶりです。

クガニャゴSARB総裁は会合後の会見で、「SARBの予測では、政策金利は25年に中立的な水準へと向かい、7%を若干上回る水準で安定すると見込まれる」と述べ、追加利下げを示唆しました。このことは、南アフリカランドにとってマイナスと考えられます。SARBと日銀の金融政策の方向性から見れば、南アフリカランド/円は上値が重い展開になりそうです。

南アフリカでは、発電設備の老朽化による電力の供給不足から計画停電がたびたび実施されています。停電は経済活動を阻害するため、計画停電が長期間実施される場合には同国景気への懸念が市場で強まるかもしれません。その場合、南アフリカランドの上値を抑える要因になりそうです。<八代>




BOM(メキシコ中銀)は9月の政策会合で0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を10.75%から10.50%へと引き下げました。BOMの利下げは3月と8月に続いて3回目です(5月と6月の会合は政策金利を据え置き)。

BOMは声明で「政策金利のさらなる調整が可能になると予想している」と表明し、追加利下げを示唆しました。BOMの追加利下げはメキシコペソにとってマイナスですが、利下げのペースが緩やかならば、メキシコペソはそれほど下落しないかもしれません。主要国の中銀と比べてBOMの政策金利の水準がかなり高い状況に大きな変化はないと考えられるからです。

米国とメキシコの政治情勢には注意が必要です。メキシコでは10月1日にシェインバウム氏が大統領に就任します(任期は6年間)。司法の独立性を脅かすとして市場が懸念する司法制度改革は9月15日に発効しました。新政権がメキシコ政治への懸念を一段と強めるような政策・・・例えば選挙制度改革などを推進すれば、メキシコペソ円には下押し圧力が加わるかもしれません。11月の米国の大統領選の結果もメキシコペソの動向に影響を与える可能性があります。<八代>




ノルウェー銀行(中銀)は9月19日の会合で政策金利を4.50%に据え置きました。また、先行きに関して年内の据え置きと25年1-3月の利下げを明言しました。リクスバンク(スウェーデン中銀)は9月25日の会合で0.25%の利下げを決定、政策金利を3.25%としました。さらに、年内2回の会合それぞれで利下げを示唆、うち1回は0.50%になる可能性がるとし、さらに25年前半に1回ないし2回の利下げがありうるとのガイダンスを出しました。

少なくとも25年初めまでは政策金利差が拡大する可能性が高く、NOK/SEK(ノルウェークローネ/スウェーデンクローナ)には上昇圧力が加わるかもしれません。ただ、過去の経験では、NOK/SEKは金利差以上に原油価格の影響を受けやすいようです。WTI原油価格は21年後半以降の安値圏である60ドル台(後半)で推移しており、一段と下落するようであれば、金利差からみたNOK/SEKの上昇圧力を相殺する可能性がありそうです。<西田>




2025年のFX市場の見通しは? ユーロに弱さ 円高急進の可能性も

金利差は、為替相場の変動率(ボラティリティ)に大きく影響することから、大幅な金利差のある米ドル/円やクロス円が歴史的大相場を展開したのに対し、豪ドル/米ドルのような対米ドルでの取引「ドルストレート」は小動きの状況が続いたということでしょう。このような金利差に著変なければ、2025年の豪ドル/米ドルも小動きが続く可能性が高いのではないでしょうか。

2025年の豪ドル相場は上期にかけて下値が意識された後、緩やかに反発

豪ドル/米ドルは、小動きが続く中でも、最近にかけての金利差変化からかい離する形で下落傾向が続き、年初来の安値更新含みの展開となりました。これには中国経済の不振の影響などがあるのかもしれません。

を探る展開に転じると予想。上期は、2024年後半に豪ドルを支えた豪米金利

豪州は中国との貿易関係が強いことから、豪ドル/米ドルは上海総合指数など中国株との間に一定の相関関係が確認できます(図表3参照)。中国株の長期下落傾向が、小動きが続く中でも豪ドルの下落要因になっていた可能性はあるでしょう。