「ドル建て日経平均」に着目すると違う景色が見えてくる ? | マネー


ここでもうひとつ重要なことが、日本株式市場の売買シェアの6〜7割を外国人が占めているということだ。そして、金融マーケットにおいては、基軸通貨は米ドルである。そのような背景を鑑みると、外国人投資家にとっては、日経平均株価に関わらず、円建てよりもドル建ての方が馴染み深いといえるかもしれない。実際に投資をしなくても、ドル建て日経平均株価を見て日本株を評価する可能性もある。


円安と株安が同時に進む局面でよく目にするのが、「米ドル建て日経平均株価(以下、ドル建て日経平均)の

円建て日経平均株価では、2,000円近く下落しているのにも関わらず、2017年3月31日の方がドル建て日経平均株価が上昇している。なぜならば、円建て日経平均株価の下落率よりも、ドル円レートがドル安円高に進んだからだ。このように、為替レート次第では、円建て日経平均株価とドル建て日経平均株価の景色が大きく変わる可能性がある。

実際に、円建て日経平均株価がアベノミクス高値をつけた2015年6月24日と、2016年度最終営業日である2017年3月31日を比べてみよう。前者は終値ベースで20,868円、ドル円レートは123円93銭、ドル建て日経平均株価は約168.40ドルであった。後者は終値ベースで18,909円、ドル円レートは111円90銭、ドル建て日経平均株価は約169.07ドルであった。

バフェット効果消えたドル建て日経平均、日本株投資意欲の陰り懸念

ポイントは、ドル建て日経平均株価の騰落の変数が「円建て日経平均株価」と「ドル円為替レート」の2つ存在するということだ。つまり、仮に「円建て日経平均株価」が10%上昇しても「ドル円為替レート」がドル高円安方向に20%進めば、ドル建て日経平均株価は下落してしまう。逆もまた然りだ。

上記の比較例では、日本人から見ると2015年6月のアベノミクス高値を2年近く抜くことができず、日経平均株価の停滞感を感じているかもしれないが、外国人投資家から見ると、もしかしたら日本株の堅調さを感じているかもしれない。

シカゴ225先物はドル建て39350円、円建て39260円(24日)

日経平均株価が一定のままだと仮定すると、ドル円為替レートがドル高円安に振れればドル建て日経平均株価は下落し、ドル安円高に振れればドル建て日経平均株価は上昇する。もちろん、実際には日経平均株価が一定のままで推移する可能性は極めて低いので、円建て日経平均株価の騰落の影響を受けることになる。

日経平均株価は一般的に日本円ベースでの株価を表示するのに対し、「ドル建て日経平均株価」は米ドルベースでの価格を算出する。計算方法はいたって単純で、日経平均が20,000円で、ドル円レートが1ドル=100円の時には、ドル建て日経平均株価は200ドルになる。

ドル建て日経平均1年ぶり安値、円安が好材料ではない表れか-チャート

私たちは日本人で、どうしても日本人の目線で見てしまう。しかし、大きな視点で考えると、世界には日本人以外の人の方が多い。従って、日経平均株価は円建てだけではなく、ドル建てで見る必要もありそうだ。今回は、そんな「ドル建て日経平均株価」について解説する。

なぜならばドル建て日経平均株価は、2017年に入ってからアベノミクス高値を更新するどころか、170ドル台を回復し2000年以来、約17年ぶりの高値をつけている。この事実を見ても、円建て日経平均株価とドル建て日経平均株価の双方の数字やトレンドを確認する必要があるといえる。


普段目にする日経平均の単位は「円」です。この日経平均を、ドル円為替レートによって「ドル」に換算した指数が「ドル.

この直感的な解釈としては、次のようなものが考えられるだろう。先物を買った場合、「株高・ドル高」になれば、株高によって利益が発生し、さらにドル高によってドルの円に対する価値が大きくなる。このため、ドル建ての方が大きな利益を得られると見込まれる。一方、「株安・ドル安」になれば、株安によって損失が発生し、さらにドル安によって円のドルに対する価値が大きくなるため、円建ての方が大きな損失を受けると見込まれる。よって、これらの場合には、ドル建ては円建てよりも有利と考えられ、高く取引される。

シカゴ225先物はドル建て39400円、円建て39305円(23日)

実際には、日経平均株価とドル円レートの共分散が、両者の取引価格の差に織り込まれている。そこで、CME日経平均先物の円建てとドル建ての清算値の差と、それから逆算した日経平均株価とドル円レートの共分散を表した(図表2)。2006年1月~2014年11月のほとんど全ての期間において共分散が正であることから、この期間では、日経平均株価とドル円レートが同方向に動くと見込まれていたと考えられる。また、2008~2009年、2013年に二つの山が確認できる。山の大きさは、日経平均株価とドル円レートのボラティリティと、両者のリターンの相関の大きさをあわせたものと考えられる。一つ目の山は、世界金融危機における急速な「株安・円高(=ドル安)」、二つ目はアベノミクス相場における「株高・円安(=ドル高)」を反映したものであろう。さらに、二つ目の山については、円建て・ドル建て共に取引高が増加した時期と一致し、先述のCMEによる説明を借りれば、共分散の上昇に伴って、スプレッド取引の機会が増加した可能性も窺われる。

ドル建て日経平均 チャート · △0.10% · H: · L: · 12/25.

スプレッド取引は両者の取引価格の差に注目した取引であるが、この価格差は、ドル建てにおいて、原資産である日経平均株価を表す通貨(円)と支払い通貨(ドル)が異なることに因る。例えば、日経平均株価とドル円レート(1ドル当たりの円)が同方向(「株高・ドル高」、「株安・ドル安」)に動くと見込まれる場合、ドル建てが円建てよりも高く取引される(逆方向の場合は逆)。

通常、日経平均株価は円表示ですが、日経平均をドルで見た場合をドル建て日経平均株価と言います。 ドル建ての日経平.

円建ての取引高は、2004年の取引開始から順調に増えている。一方、先に取引が開始されたドル建ては、2009年あたりから主役を円建てに奪われ、以降2012年末にかけて取引が低迷した。しかし、2013年に入ったあたりから、取引が盛り返している(図表1)。CMEによれば、両者間でのスプレッド取引の機会が拡大したことが、この背景にある。

「ドル建て日経平均」がバブル後高値を更新。外国人投資家が注目?

ところで、CMEでは「円建て」と「ドル建て」の二つの日経平均先物が取引されている。日経平均先物は「満期での日経平均株価をあらかじめ決めた価格(取引価格)で取引する契約」であり、1単位当たり、円建てはその取引価格の500円倍、ドル建ては5ドル倍の金額をやり取りする。つまり、先物を1単位買って満期まで保有した場合、満期において、円建ては日経平均株価と取引価格の差(日経平均株価-取引価格)に500円、ドル建ては5ドルをかけた額が得られることになる(マイナスの場合は支払い)。

ドル建て日経平均とS&P500とのパフォーマンス比較(6か月)

日本株式市場の寄付きでの日経平均株価の水準を考える際に、Chicago Mercantile Exchange(CME)で取引される日経平均先物の清算値が参考にされることが多い。これは、日本時間の早朝にCMEの取引が終了する関係から、日本の夜間でのニュースがこの清算値に織り込まれると考えられているためである。

ドル建て日経平均はまだ256.2$くらい。直近高値の272$あたりなので

ある意味、ドル建て日経平均株価こそが「世界から見た日経平均株価」の本当の評価対象ともいえる。円建ての資産価値ばかりを気にするのではなく、ドル建て日経平均株価の動向を加味して考えることによって、株式市場の動きがより正確に見えてくるだろう。

日経平均一時600円安 ドル建て「バフェット前」に戻る 井口耕佑

ここで重要なことはドル建て日経平均株価の騰落の要因(変数)は、「円建て日経平均株価」と「為替レート」の2つで決定するということだ。例えばもし「円建て日経平均株価」が10%下落しても、為替が円高ドル安方向に20%進めば「ドル建て日経平均株価」は約10%上昇するイメージだ(実際は0.9×1.2=1.08なので8%上昇)。逆もまた然りだ。

iシェアーズ 米ドル建て投資適格社債 ETF(為替ヘッジあり)[1496]

「ドル建て日経平均株価」の計算方法はいたってシンプルだ。例えば日経平均株価が2万8000円、その日のドル円レートが1ドル=100円だとすると、2万8000÷100=280となり、ドル建て日経平均株価は280ドルになる。

日経平均株価 史上最高値を更新 2024年2月22日、日経平均株価が1989年の大納会でつけた史上最高値の3万8915円を更新。

すでに海外投資家は東証1部の日々の売買代金の6~7割のシェアを占めているだけでなく、株主比率でも3割を超えている。つまり、こうした企業は所有者という視点から見ると「3割外資系企業」というわけだ。従って、日経平均株価も、、世界の基軸通貨である「ドル建て」で見る必要もあるのだ。

NKDH5 · 00:31:19 CT 25 Dec 2024 ; JUN 2025

外国投資信託「Japan Stock 225 Fund USD Class」への投資を通じて、主として国内の株式に投資する。株式への投資にあたっては、日経平均株価(225)の値動きを概ね捉えることを目指す。原則として保有する円建て資産に対し、円売り、米ドル買いの為替取引を行う。

NKDM5 · 00:31:09 CT 25 Dec 2024 ; SEP 2025

日経平均に限らないが、どうしてもわれわれは「日本国内の目線」(円建て=円表示)でさまざまな指標を見てしまう。しかし、グローバルな視点で考えると、世界は日本人以外の人が圧倒的に多い。特に金融市場において、基軸通貨はドルである。海外投資家にとっては、すべての金融商品において「円建てよりもドル建て」で比較するほうが自然だ。

基準価額騰落率(期間別) ; +13.65% · -0.38% · +29.05% · +71.71%.

株式投資に興味がある人なら、日本で最も有名なる株価指数である「日経平均株価」を定期的にチェックしているはずだ。もちろん筆者も日々詳細にチェックしている。この指数は、東証1部に上場している銘柄のうち225銘柄をピックアップ、単純平均したものだ。今回はこの重要指標を違う角度から見ていこう。