トランプ政権が誕生すると長期金利、ドル円、株式市場はどうなる?


ドル円レートは、1ドル156円台までドル高が進んだ(図表1)。11月5日の選挙でトランプ氏が次期大統領に決まり、ここにきて上下院ともに共和党が過半数を占めることが確実になったからだ。下院でねじれがあれば、法案修正の圧力がかかるが、トリプルレッドが確実になったので、そうした圧力を受けずにトランプ政策が通りやすくなった。それは間接的に財政赤字要因になるので、米長期金利が上昇した。これはドル高要因だ。


トランプ氏の「対ドルでの円安や人民元安がはなはだしい」との発言が影響してか、トランプ氏再選となれば、ドル安円高が進むとの見方が散見される

・経済指標としては、アメリカのCPIやPPIの発表があり、これらが市場に影響を与える可能性がある。

・今週の予想レンジは150円から155円で、特に151円台がサポートされるかが注目される。

米大統領選で、大規模減税など景気刺激策を掲げたトランプ前大統領が勝勢となり、6日の東京外国為替市場の円相場は対ドルで急落した。

長短金利をみてみると、11月の利下げ後のFFレートの誘導目標は、4.5~4.75%である。長期金利は4.4%台まで上がっていて、これはほぼ同水準だ。ここには短期金利の見通しの変化が背景にあるのだろう。今後は、短期金利があまり下がっていかないだろうという予想なのだ。従来の短期金利>長期金利の図式、つまり長短金利の逆転が続いてきた。しかし、それは解消する手前までやってきている(図表2)。FRBは、9月時点で2025年中▲1.00%ポイントの追加利下げを予告しているが、長期金利はその利下げをあまりカウントしていない水準で推移している。これは、潜在的なインフレ圧力を見込んでいるということだ。そして、FRBがどこかで利下げを休止して、いずれ利上げ方向に転じてもおかしくはないことを見込んでいるのだろう。米金利のイールドカーブは、1~3年にかけて4.2~4.3%程度になっている。

円安進行が目立ってきている。トランプ当選で地殻変動が起きている。財政悪化の観測が、米長期金利を押し上げている。FRBの利下げについても、2025年にかけては進めにくいと予想される。日米金利差の拡大は、ドル高・円安要因である。今後、これに対抗しようとする日本の通貨当局の口先介入と、日銀の追加利上げはどうなるだろうか。

[PDF] トランプの政策が為替相場に与え る影響と日本経済への波及の考察

筆者が少し不思議に思うのは、米株価が大きくは下がらないことだ。株価はこれまでFRBの利下げ予想を織り込んで上がってきた。ならば、トランプ当選で金融緩和期待は剥落しているのに、なぜ株価は大幅に下がらないのか。これも、ドル高と同じく、潜在的なトランプ・トレードの押し上げ圧力が見た目以上に強いことを示唆している。

今後の円安進行で気になるのは、日本の通貨当局が為替介入に打って出るかという論点だ。2024年4月29日・5月1日には介入を実施している。為替相場が連休前に1ドル153~155円で膠着していたところから、一気に156~157円に円安が進んだところで、頭を押さえるように9.8兆円の為替介入が行われた。このときは随分と投機色が強かった。現在は、シカゴのIMM通貨ポジションは、以前よりも円売り方向になってきたが、4・5月ほどは投機筋の円売りポジションが膨らんでいない。だから、今のところ実勢を反映した円安に見えるが、円安の勢いが強いと介入の可能性は高まっていく。

米大統領選の投開票日を目前に、外国為替市場では円安ドル高が進んだ。両候補とも大型減税などを掲げており、米金利が上昇傾向にあるからだ。

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ドル円の週間見通し 為替介入の思惑とトランプ氏銃撃の影響 ..

さて、日銀はどうだろうか。衆議院選挙で与党が敗北して、筆者は日銀の年内利下げはないと思った。しかし、ここにきて12月利上げの公算は高まっている。来夏に参議院選挙を控えた石破政権は、物価上昇の再加速を快くは思わないだろう。秋の経済対策の吟味も行われている。日銀は、クリスマス商戦を念頭に置き、「米国経済の見極め」を行うつもりだ。このアナウンスは、2024年12月か、2025年1月のいずれかに利上げをする意向を示すものだ。それに対して、足元の円安進行は12月利上げの可能性を高めるものだろう。近々、財務官や植田総裁から円安への口先介入が行われるだろう。そうした展開になれば、12月利上げは近いというシグナルだと考えられる。

【もしもトランプが再選したら】ドル円相場はどうなる? / NewsPicks

・トランプ政権の具体的な政策は2025年1月から始まるため、現時点での影響は限定的と考えられる。

2025 年に始動する第二次トランプ政権(トランプ 2.0)では、減税政策に加え、関

筆者は、1月のトランプ就任前後にさらに米長期金利が上がって、ドル高・円安が進むと警戒している。ドル円レートは、2024年7月上旬につけた1ドル161円台にまで接近する可能性があるとみる。そこに至るまでに、おそらくは通貨当局による口先介入があって、一時的な膠着状態が起こるだろう。それでも、トランプ要因でのドル高圧力の方が大きな作用なので、円安への流れは止まらないとみる。

【為替】トランプ時代「最後の円安」の可能性 | 吉田恒の為替デイリー

・アメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利し、米ドル/円が一時154円台まで上昇したが、その後金利の上げ幅が縮小し、152円台まで反落した。

ドル安 ドル高・円安に/日銀利上げや介入、FRB利下げ ..

まず、12月会合ならば米クリスマス商戦を見極めづらい。前哨戦だけをみて、全体の動向を窺うことになる。1月会合の利上げならば、トランプ大統領の就任日の直後になる。もしかすると、円安に弾みがついている可能性がある。円安の趨勢に歯止めをかけたいのであれば、12月利上げの方がよいと考えられる。7月末の利上げのときは、だいたい20円程度の幅で円高へと修正された。12月会合は12月19日だから、トランプ就任前に円高方向に為替レートを修正しておいて、就任日前後にそれが再び円安に押し戻されるというシナリオになるだろう。

トランプ円安が突き進む ~1 ドル160 円を目指す展開~ | 熊野 英生

――一度経験しているから予想ができたということですね。トランプ氏は来年1月に大統領に就任しますが、これからの為替相場のメインシナリオをどうお考えですか。

トランプ氏勝利で、円安・株高の「トランプ相場」 いつまで続くのか

市場では投票日の11月5日より前から、金利高、ドル高、株高が同時に起きる「トランプ・トレード」が進行。米経済の堅調さもあり、10月初めに3・7%台だった米国10年債利回りは足元で4・4%台まで上昇。ドル円相場は約1カ月で10円以上、円安・ドル高が進んでいた。

【尾河眞樹氏・トランプ2.0と2025年の為替相場】SFGI ..

トランプ氏が公約として掲げていたものがどれくらい実行に移されるのかはわかりませんが、トランプ氏がやりたい政策、つまり財政は拡張路線で金融政策は緩和、移民規制、追加関税、減税を全部実行したら普通はインフレになる。インフレになれば当然利下げはできず、アメリカの金利は高く保たれて、日米金利差は拡大したままでドル円相場は高止まりする。

共和党トランプ政権誕生でどうなる?ドル高円安の先を予測 | 高島修

米大統領選で減税や積極財政を訴えたトランプ氏が返り咲いたことを受け、金融市場はリスクを積極的に取る姿勢が強まり、円安・株高の「トランプ相場」となった。ただ、「米国第一」を唱えるトランプ氏が関税強化などを実行に移せば、世界経済は不透明感が強まり、市場の先行きは読みにくくなる。

米大統領選でトランプ前大統領の当選が確実になった。直後には主要な米株価指数が急騰するなど、金融市場では敏感に反応する場面があった。

そのシナリオを織り込んで、投機的なトレードで円安が進むという状況が足元では続いています。来年もそれが続くと思っている人が基本的には多い。ただ、日本についていえば、2022年、2023年と比較して2024年の東京外為市場における円相場の需給環境として、円を売りたい人はけっこう減ってきています。実需の円売りは過去2年に比べると迫力がない。

トランプ・ショックで為替相場がドル高・円安に進んだ理由 | 高島修

投機主導で相場が作られていくと崩れるのも早いですから、円安方向に進むにしても値幅がそうとう出る半年間ないし1年間と思っておいたほうがいいです。

米大統領選、トランプ氏勝利なら円安・株高-16年の再現には疑問

20%を「上がり過ぎ」の目安とすると、「トランプ・ラリー」は、短期的には記録的な米ドル/円の急騰だったが、必ずしも「上がり過ぎ」ではなかったのに対し、今回はすでに「上がり過ぎ」になる懸念が強い。この観点からすると、今回の方がより「最初で最後の米ドル高・円安」になる可能性がありそうだ。

トランプ氏優勢の観測で円安・株高進む 一時1ドル154円台前半に

トランプ大統領の就任に伴い、経済、金融、外交といった様々な分野で大きな政策転換が予想される。前回のトランプ政権時には、保護主義的な通商政策やトランプ流外交により、為替市場が大きく揺さぶられた。再び同様の政策が採用された場合、現在の為替相場にどのような影響を及ぼすのか。

トランプ前大統領 “円安ドル高は大惨事 国内の製造業 打撃” | NHK

米ドル/円独自の要因からすると、今回は「トランプ・ラリー」以上に「最後の米ドル高・円安」になる可能性が高いのかもしれない。米ドル/円の5年MAかい離率は、「トランプ・ラリー」のピークでも13%程度だったのに対し、今回は20%にも達していた(図表2参照)。

【NHK】アメリカのトランプ前大統領は外国為替市場でおよそ34年ぶりの円安ドル高水準となっていることについてSNS上に「アメリカに…

本レポートでは、最新のAI技術を活用し、トランプ政権下でのドル円相場の行方を分析する。具体的には、経済指標、金融政策、地政学的リスクなど、様々な要因を考慮しながら、複数のシナリオにもとづきドル円相場を予測する。そしてこの分析を通じて、今後の為替動向に対する新たな知見を得ることを試みる。